1996/12/25 谷村有美 横浜アリーナ
The X'mas Show
センター席18列13番
三浦敏孝, 早稲田大学
miura@muraoka.info.waseda.ac.jp

●開演前

 アリーナに到着したのは18:20頃。改めてチケットを見ると開演
までまだだいぶあるので、MLメンバーを探しがてら記念撮影のロケ
ハンでもしようかと思ったが、なんと、会場の表には「谷村有美」
とでっかく書いた看板は出ていない。がーん。

 ロビー中央にはでっかいクリスマスツリーが。あれを前に記念撮
影できればいいんだけど、中じゃ撮らせてもらえないだろうな。

 会場入口前でMLメンバーを探すが、ところどころにいる赤い集団
はどれも知らない人たち。仕方なく会場へ入る列へ並ぶと、亀山さ
んが声をかけてきた。新幹線の中で白く染め損なってゴマ塩の頭と
ヒゲになっていた。

 チケットをもぎっていろいろと渡されるものが今日は少し多い。
葉書大の「きよしこの夜」の歌詞カードとサイリウム、それに、そ
のサイリウムが谷村には内緒の企画である旨と点灯のタイミングの
指示を記した紙が含まれる。

 会場に入り、多目的ホールの特徴でもあるフローティングの床を
踏み締めながら、アリーナ席と称するスタンドの間の切り通しを抜
けてセンター席へ。

 ステージは床に対して人の背丈以上に高く、また客席の前の柵か
らステージの高さよりさらに余計に距離がある。ステージ中央には
まっすぐ客席の方へ伸びる階段があり、その正面にわざとらしくカッ
プルが一組。いや、仕込みというわけじゃないんだろうけど、結果
的にわざとらしく見える。

 自分の席に荷物を置いて知り合いを探すべく歩き回るが、広い会
場の中で思いの外赤い人が目立たない。途中で卯野木さんに声をか
けられたことでようやく一人見つけ、それからアリーナ席に飛ばさ
れていた松永さんをはじめとする集団を見つける。

 ステージに向かって右手、アリーナ席のステージ寄りに女の子を
含む赤い集団が二つ見えるが、女の子を含む方は全然知らない人た
ち、もう一方はどうやらNIFTYっぽい、どこかで見覚えのある面識
のない人たち。MLメンバーはチケット運が弱いね。

●座席

 センター席18列13番というのはMLの中では成績のよい方だが、し
かしステージは遠い。会場が大きいからこればっかりはしょうがな
いんだよね。

 隣の席にカップルがいて、上を見上げて「あれ、くるかな。くる
よね」とかなんか言ってるんでつられて上を見上げたらドーナツ形
の足場の中に風船が詰まっている。しまった、見なければ驚けたの
に。

●開演 - 19:13

0. グレゴリオ聖歌(番号不明)

 オープニングはスポットを浴びたカズのソロで、なにやらグレゴ
リオ聖歌っぽいオルガンで始まる。いや、正確には、グレゴリオ聖
歌なのかどうかはわからないのだけれど、私にとってはわりと耳に
なじんだ、どこかで聞いたことのある感じのする曲だったのである。

 ひとしきりオルガンの演奏が続く間に、メンバーが配置につく。
しかし、演奏には参加しない。相変わらずカズのソロが続く。

 そこへ、コーラスが歌い始める。男性3人(うち一人は指揮)、女
性4人の、ポップスのコンサートにしては豪華なコーラスである。
こういうのをゴスペルというのかもしれないけど、ゴスペルの何た
るかをよく知らないので、私には断定できない。言えるのは、これ
やっぱりグレゴリオ聖歌みたいだということ。

 ひとしきりコーラスが続いた後、ウールの真っ赤なロングコート
に身を包んだ谷村が登場し、「ジングルベル」のサビを1節「ジン
グルベル、ジングルベル、ジングルオールザウェイ……メリー・ク
リスマス!」←谷村らしく発音は日本語なのでした

1. はじめの一歩

 前奏から積極的に入ってくるコーラス。先ほどのグレゴリアンと
はがらっと変わってノリノリになるんだけど、完全に自分たちの物
にしてしまってる感じ。「これは、7月6日の再来だ」という言葉が
思い浮かんでしまう、*素晴らしいコーラス*。

 谷村の声は、声量は出てるんだけど、やっぱりちょっととがった
感じというか、あるいはPAがまずくて声が割れてるのか、クリスタ
ルボイスから少し離れた声。

 のっけから歌詞間違いがちらほら。さすがに最初からこう来ると、
練習量の期待できない、特別メニューで1本きりの内容だけに、先
が思いやられてしまう。

2. 走れ! パンプス

 谷村はコートの前を開けて動き回るのだが、コートの中に着てい
たのが、金色のスパンコールのついた白いノースリーブ・マイクロ
ミニのワンピースで、いかにもミニスカートをはき慣れていない的
な身のこなしをする。しかし、ステージの高さがあって客席からの
距離もあるから、最前列の人でも見えはしないだろう(と思ってい
たら、実は、この曲でかどうかはよく分からないが、膝立ちで片膝
を立てていたらしい)。

 前の曲よりもさらにポップになるこの曲にも全く違和感なく溶け
込んでしまう、懐の深いコーラスに感心。ただ、この曲は分厚く音
を重ねてゆく西脇全盛期の曲で、CDでは間奏におしゃべりすら入れ
られたりするくらいだから、コーラスとのマッチングがもともとよ
いのかもしれない。選曲の勝利。

 あまりにもすんなり入ってきたので帰宅するまでこの曲があった
ことをすっかり忘れていた。実はここですでに通常メニューと違っ
てたわけだ。帰宅してレポートを書き始めるまで「恋に落ちた」ま
では通常メニューと同じだと思い込んでいたのだが、メモに基づい
て曲順を組み立ててみるとどうもしっくり来ないものだから、徹夜
組を率いる岸さんへ電話して確認してようやくここにこの曲があっ
たことが判明した。

3. 最後のKISS

 この辺で谷村は赤いコートを脱いで、きらきらするワンピースだ
けになっている。

4. 恋に落ちた

 あっと言う間の本編前半といった感じで(いや、通常メニューよ
り1曲少なかったわけだから実際早かったわけだが)、谷村が歌い始
めてから客がごそごそと座り出す。勿体ないね。

 前2曲でクリスタルボイスに近づいたかと思ったのだが、この曲
ではとがった声に戻ってしまった。せっかくのこの曲なのに少し残
念。

(MC)

 ピアノの前に腰かけたまま、コーラスの紹介。指揮しているのは
ジョーイ、ほかの男声はロナルドとヒロ・鈴木、女性はここで一人
欠けていたので「スーパーレディーズ」で済ます。

5. Oh, my god!!

 この曲もっと後だったような気がするんだけど(歌に入る直前で
毛皮のショール振り回してなかったっけ)。

 間奏でジョーイとロナルドのラップが入る。曲によくマッチして
るんで、ほほう、そう来たか、と感心。確か、ラップが入ったのは
紹介されたのよりも後だったと思うんですけど……。(^^;

 終わって、コーラスが引っ込む。

(MC)

 スローテンポな、長い長い挨拶。最初いきなり泣きそうになる谷村。

 谷村のしゃべりがやたらスローテンポなのが不思議。会場が大き
いため残響があっても聞き取れるようにするとかの意味があるのだ
ろうか。

 気がつくと、谷村のしゃべっている後ろ、ピアノの前辺りに、黒
いスーツ(タキシードかな)に蝶ネクタイの、スラッとした上品そう
なヒゲのおじさんが、マイクスタンドを伴って待ち構えている。谷
村のしゃべりが一段落すると、バンドメンバーがステージ中央に集
結し始めるとともにこのおじさんがマイクスタンドをステージ中央
手前へ移動する。なんかかっこいいぞ、このおじさん。

 谷村は、先に準備が整ったらしいバンドメンバーを後目に、怪し
げな鼻歌を歌いながら何やら準備をする。正面を向いて中央へ来る
と、谷村の白い手袋をはめた手にはハンドベルを持っている。ここ
で初めて、バンドメンバーもハンドベルを手にしていることに気づ
く。アカペラでコーラスでもやるのかと思っていたら、何だ、そう
いうことか。

6. ハンドベルでジングルベル及び次の曲の紹介

 一度、えへん、という谷村の咳払いとともに始めかけるが、音を
鳴らす前に笑い出し、「緊張してる? すっごい緊張してるでしょ?」
とバンドメンバーに問いかけて、またマイクの前へ出てしゃべり出
す谷村。

 「楽器の前にいるとあんなにリラックスしていたバンドの皆さん
が、こんなに緊張しています」……昨夜徹夜で練習したがまだ一度
もうまく行っていないとのこと。一番緊張しているのは藤稜さんだ
そうな。

 ひとしきり笑いを取った後、恐る恐る、サビから始まる「ジング
ルベル」の演奏開始。谷村と藤稜さんだけどうもテンポが遅い。山
下さんと岩見さんには音を出す番が回らないまま終わる。あれれれ
と思っていると、何やら知らない曲(次の曲のサビであるらしい)が
始まる。何だろう、何だろうこの曲、と思っているうちに終わる。
どうやらうまく行ったらしく、山下さんはガッツポーズ。うむ。音
色は美しいんだけどね。でも二つ目は何の曲だったの、と疑問が解
けないうちにバンドメンバーは担当楽器へ戻って行き、次の曲が始
まる。

7. もうすぐあなたが帰ってくる

 バンドが配置につくころに気がつくと、いつのまにかコーラスも
戻ってきている。メンバー紹介のときにはいなくなっていた女性一
人も戻ってきている。

 この曲ではコーラスは完全にわき役に回っていて、ほとんど気づ
かないが、よく注意して聞くときれいに入っている。

 曲が終わると暗転して、谷村は暗い中で何やら羽織りながら袖へ
消える。

8. 雪の朝

 最初、全然知らない曲のコーラスから始まるものだから、なんだ
かわからなくなっていると、バンドの演奏がこの曲の前奏になる、
というパターンは確かここだったような気がする。

 袖からステージへ戻ってきた谷村が歌い始めてスポットが当たる
と、袖口に派手なボアのついた、きらきら輝く黒ないしチャコール
グレーの毛皮のハーフコートを羽織っている。首には、コートの襟
なのだか独立したショールなのだか判然としない毛皮のボアみたい
なものがコートの裾ぐらいの丈まで垂れている。

 この曲に至ってようやく、美しいクリスタルボイスに完全にエン
ジンがかかる。曲のよさと相まって、聞き惚れる。コーラスとのマッ
チングも絶品。

9. The Christmas Song

 谷村お得意の、この曲。前の曲からの続きで、ひたすら聞き惚れ
る。

 終わると、谷村は袖へ引っ込む。

 ステージの明かりは落ちず、ジョーイが会場を煽ろうとするけれ
ど客が乗ってこない。どう反応していいかわからないような雰囲気
を感じる。わざわざ易しい言葉を選んでくれてるのにね。

 露崎春女のライブでも感じたことだが、日本のポップスのコンサー
トに来るような客のほとんどは、煽る人が英語でしゃべっていると、
たとえどんなに易しい言葉を選んでくれていようが、意味が分から
ずついていけないのではなかろうか(まさか、知らない人が煽ろう
としても知らん顔を決め込むとかいった変な客じゃないよね)。な
んか、計算甘かったね、舞台監督どの。

10. 好きこそ物の上手なれ

 白地に虹色の横縞のノースリーブと同じく縦縞のロングパンツに、
輪になった毛皮のショールをかつぐように両腕に通した谷村登場。

 特に前奏において、コーラスの存在感が非常に心地よい。

 曲の最後で、コーラスだけの部分がつけ加わる。よくできている
のだが、なんか取ってつけたようになっているのが少々残念。

11. 信じるものに救われる

 間奏の部分で、再びジョーイが客を先導して「yeah, yeah, yeah」
と歌わせて、その間に谷村が一回り客席を練り歩いたのはここでし
たっけ? あと、曲の最後で谷村が右に左に走り回った挙げ句腰にき
たのか足を悪くしたのか、以後すごくしんどそうに左足を引きずる
ようになったのはもっと前でしたっけ?

12. 愛する勇気

 「もしよかったら一緒に歌ってください」と言いつつ、普通に演
奏が始まるものだから、客は合唱には入れない。最後の「ラララ」
だけ客を煽って合唱。

13. 雪の扉

 谷村はピアノを弾く。しかし弾き語りだけじゃなくて、バンドも
コーラスも入ってくる。ただし、コーラスはあまり目立たない。

 PAがどうかしてるのか、ベースの高音部だかギターだかの旋律の
音量がやたら大きく入ってくる。少し変。

 最後に、「クリスマスプレゼント」と称して、天井から白い風船
が降る。風船の出方からして、あれは人が手で落としてるな、と、
つまらないことに気が行ってしまう。

14. サンタを迎えにいく夜

 「この時期にしかできない曲がありますから」と言ってくれると、
この曲が来るってわかってしまうのが10円安。しかし、バンドが控
えめになるアレンジで美しいクリスタルボイスが引き立つ。聞き惚
れる。

 曲の間中、さっき降らせた風船が通路にたまったのを係員が回収
(たぶん、通路に風船が転がっていると、客が転ぶ原因になるから
だね)するために動き回っているものだから、ついついそっちが気
になってしまう。さらに10円安。勿体ないね。

(MC)

 何をしゃべったのだかほとんど覚えていない。

15. 一緒に暮らそう

 「にゃお」の音(声?)が復活しているのにびっくり。

 谷村の歌のテンポがときどきひどくゆっくりになってバンドの演
奏と合わなくなりかけることがある。やたらテンポが遅くあまり脈
絡のないMCと合わせて、実は谷村は熱でもあるのではないかと思い
至る。

 この曲の間も、風船の回収作業はまだ続いていたような。かさば
るし、割るわけにもいかないから大変そうだ。こういうところに準
備の粗さを見てしまう。

 間奏で、テンポの速い曲が無理やり挿入される。なんか変だぜ。

 このあたりで「ジャンジャンジャンジャン」と数を数えて108(ジョー
イのおばあさんの年だそうな)とか200(会場からリクエストを取っ
た)とかやっていたけど、正確にはいつやりましたっけ?

 コーラスからバンドまで、一人一人メンバー紹介し呼び寄せては
抱き合ってねぎらい合う。バンドメンバーの紹介では以前何回かやっ
たようにメンバーと谷村が手を「パン」と合わせるのに会場の拍手
が合わせて「パン」とやったのだが、その「パン」の直前に一生懸
命「せーの」と叫んでる輩がいる。こやつのために興が削がれるの
だが、そうまでして目立ちたいのか、寂しいやつ、と憐れむ気持ち
が起こる。

(以下、アンコール)

 出演者が引っ込んで暗転すると、脇に目をやって警備員を探す自
分が少し滑稽に感じる。置き場所に困って鞄にしまっていたサイリ
ウムを取り出し、その包装を開封する合図となる警備員の赤い警棒
が振られる場所はどこかと探す。

 客の陰に隠れてなかなか見えないが、辛うじて振られている警棒
がいくつか見えたのでサイリウムの包装を開封。

E1. きよしこの夜

 私はサイリウムというものを手にするのが初めてなもので、扱い
方がわからず、最初は開封するだけで光り出すのかと思っていたの
だが、自分のをよく見ると光っていないので、慌てて包装に書いて
ある説明を読んで、サイリウムというものが2液式で中のカプセル
を割る必要があることを知る。

 真っ白な、ノースリーブに長いスカートのワンピースドレスで谷
村登場。会場のサイリウムの光に泣き出すよりは笑い出す方があり
そうだなと思って見ていたが一瞬顔がゆがんだだけで平静に戻って
しまう。手には入り口で渡されたのと同じ黄色い紙の「きよしこの
夜」の歌詞カードを持ち、振りかざして客に一緒に歌うように促し
ているのだが、客はサイリウムを振るのに夢中で歌詞カードには全
く関心が向いていない。3番まで歌い終わった後の短い間奏で「一
緒に歌ってね」と言われて初めて、合唱のために歌詞カードを渡さ
れたことに思い至ったのか、間奏の後、最後に1番を繰り返すとこ
ろでようやく客も歌う。

 この辺はまさに準備の粗さ計算の甘さが極まったところと言うべ
きか、せっかく面白い演出を思いついたのに、それがもともとの企
画にかぶってしまって、客の注意を分散させる結果となり、両方と
も消化不良になってる。

(MC)

 「絶対泣かないって決めてたのに、みんないつのまにそんな光る
もの持ってるの?」としゃべっているうちに顔が泣き出す谷村。し
かし号泣とまではいかないで話し続ける。

 会場からかけ声が入る。今日は会場の大きさが一人の人間の出せ
る声の大きさに勝っていたおかげかほとんど無粋な掛け声が入るこ
とがなくてよかったと思っていたのだが、ここに来てあちこちから
声が飛ぶ。ほとんどはまあ割とましなものなんだけど、アリーナか
スタンドの、ステージに向かって左後方、先ほど「せーの」と言っ
てた奴と同じ辺りから「何か歌ってー!」あのなあ。MCも長くて勿
体つけてるし、ピアノにカズが入ってるんだからこれからまだもう
1曲ありそうなことぐらい想像つかないのか。

E2. 星に願いを

 曲が始まると同時に、ステージを囲んで背景に星空を模した釣り
電球が灯る。美しい。そこへ、さっき「何か歌ってー!」とやらか
してくれた奴と同じ辺りから「きれいだよー!」ついに会場から笑
いが起こる。

 曲自体は谷村得意の曲で、安心して聞ける。しかも、すっかり調
子の乗りきった美しいクリスタルボイスをカズのピアノと藤稜さん
のサックスだけの控えめな伴奏が引き立てる。聞き惚れる。

 曲が終わるとかなり長い時間を使って愛想を振りまき、袖に引っ
込む。生声挨拶は無し。

以上、ハンドベル含め17曲。

●終演 - 21:40くらいか

 谷村が引っ込んで暗転し、余韻を楽しむ暇も与えてくれないまま
に三本締めが起こる。流れに似つかわしくないことよりも拙速が気
に障って、思わず「早いよ」と声に出してしまった。せめて会場の
明かりがついてからにしてくれ。

 明かりが点いて追い出しのアナウンスが入ると客の移動が始まる
とともに会場のあちこちから風船の割れる音が。いきなり係員がこ
ういうことをやるはずはないからこれって客がやってるのだろうと
想像するが、まさか係員が片付けの一環で風船を割ってたのだろう
か?

 コーラスが映えるように選ばれた選曲はまあ悪くないのだが、も
ともとどうも全体としてあまりしっくりこない通常メニューを元に
曲順をあちこち入れ換えてある上に無理やり挿入された速いテンポ
の曲があったりと、風船の回収作業やアンコール1曲目の演出のす
れ違いなどと相まって何やらとっ散らかったような印象がやたら強
く残った。せっかく谷村の歌声も美しくコーラスもきれいに決まっ
ていたのに、勿体ないことである。

 アンケートを書き終えると会場を出る人の流れに加わる。記念撮
影に備えて三脚を取り出し足を伸ばしてからカメラを受け取る。カ
メラを手にロビー中央の大きなツリーに近寄ろうとすると係員が一
人近寄ってきたので、ツリーを撮影してよいかと聞いたら会場内で
はやめてくれというので、会場出口を出てすぐ後ろを向いて撮影。
人の流れが邪魔だがこればかりは仕方ない。

 会場を出るとMLメンバーのサンタ軍団が集結しているので、「使
用後」の記念撮影。一応、お約束の「10秒待って2秒」と「奇声を
上げないでください」を言って受けを取る。

 撮影が終わるとオフミ幹事の岸さんが出席を確認してのち、オフ
ミ会場となる白木屋へ移動開始。松永さんや卯野木さんたち小集団
はオフミには参加せず。

●オフミ

 水餃子っぽい鍋を囲んで、隔離されていない広い座敷の一角を占
め、「はみ出しホッホッホ」乾杯で始まる怪しいオフミの時間の半
分は、実は私はカメラに向かっていて、あまり食べ物に手をつけら
れなかった。1本目のフィルムが終わった後2本目を装填しようとし
たところ、うまくロードしてくれないのだ。フィルムを別のにして
みたりいろいろ試してみたが、やっぱりだめ。どうにも機嫌を直し
てくれず、この後の、よその集団から女の子が二人来てサンタに囲
まれての撮影をリクエストしてきた状況とか、店員の中の一人の女
の子がトナカイの被り物を被っていたのとか、千晶ちゃんの「トナ
カイの角」を着けた山下さんとか、重要な状況が撮影できずじまい
であった。この辺りに関しては、天木さんの撮影していたビデオの
回覧が望まれるところである。

 オフミにおける今回のコンサートの評価は総じて悪い。谷村の歌
の出来は悪くなかったと思うのだが、全体の組み立てや演出の空回
りなどが全体の印象を悪くしていたようだ。かく言う私も自己紹介
に付け加えて「よかったですねー、コーラス」とほとんどお約束の
ように言って受けを取ったりした。

 曲順はハンドベルの後に関してまあまあメモが取れていたはずな
のだが、あとで天木さんが確認しに来ていた辺りからするとメモの
怪しさがばれていたかもしれない。

 田村さんを皮切りに早退けする人が何人か出て、コピーバンドの
メンバーが2次会の準備のために抜け出して、かなり全体がだれた
ところで1次会はお開きになり、私は翌日のお勤めのために終電で
帰宅。

●帰宅後

 風呂に入ってからいざレポートを書くために曲順を組み立てると、
どうもしっくり来ない。ハンドベルの前が実はかなりあやふやで、
じゃあそのあとはというとそちらもはっきりしない。全体に、曲順
自体はツアーの通常メニューからあまりいじられないだろうと高を
くくっていたのが油断を生み記憶の不正確さをもたらしたようだ。

 どうにもこうにも曲順がはっきりせず、挙げ句に、曲順の確認の
ために2次会の徹夜組を率いる岸さんに電話を入れるはめに。結果、
まとまったものが上記の為体である。方々の記憶がいいかげんだ。

 カメラはというと、改めてフィルムを装填してみたらちゃんとロー
ドしてくれた。なんてこったい。

以上

1996/12/25 31:36


●後日談

 実は、本ドキュメントはMLに流して以降幾つかの訂正を経ていま
す。訂正箇所はまだ細かいところだけですが、今回は曲順からして
いい加減ですので、正解をご存じの方は間違いを指摘して頂ければ
幸いです。情報としては正しくなるようメンテナンスしてゆきたい
と思います。

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last update: $Date: 2007/11/24 06:49:31 $