2004/12/24 谷村有美 すみだトリフォニーホール
谷村有美と過ごすハートフルなX'mas
2階2列35番
三浦敏孝
miura@computer.org

●開場前

18:40頃開場前に辿り着くが、まだ開場していない。

列が長いのでとりあえず最後尾を見つけて並ぶと、18:44頃、係員が
「リハーサルがまだ終わっていないのでロビー開場」って、なんだ
かなあ。

●座席

やや遠い。

2-3階はオペラハウスのような、両翼が一列ずつしかない作りなのだ
が、2-3階のフロアは斜めになっている点で普通のホールに近い。

前回があるのでクラシック用ホールというとオペラハウスみたいな
構造を期待してしまうのだが(といっても特段何かのメリットが期待
できるわけではなく物珍しさだけだ)、要するに普通の構造のホール
だ。

照明が変わった形のオブジェになっているなど、内装は豪華だ。

●開演 - 19:21

谷村登場。ピンクのワンピースドレス。

遠目に上半身ががっしりして胴体の厚みがあるのと、ワンピースの
スカート部分が胸のすぐ下から広がっているので、妊娠5-6ヶ月の
ように見える。

1. 逆ふたまた

心持ちテンポが速い。開演が押したのを取り返そうとしているのか?
いつものように、声はまだエンジンがかかっていない。

2. Chiffon Cake Bossa (国府弘子のカバー)

(MC)

今年は割と惜しみなく「メリー・クリスマス」
客席右手中央に小さい子供がいるらしく、キャッキャッと嬉しそう
な笑い声を上げるのでMCがそれに引っ張られる。

3. アヴェ・マリア

アヴェ・マリアには曲違いの多くのバージョンがあるのだが、この
曲は誰の作かな、最近よく聞く、サラ・ブライトマンが歌っている
やつ。詞は日本語だが天使祝詞そのものではない。ラテン語じゃ歌
えなかったってことかな。

それとも、カバー元というかこれを定番として歌っている人が日本
語詞で歌っているってことかな。

声の出方が割と全開近いんだが、いまひとつ没入できない。音に包
まれるのでなく前から聞こえる感じ。クラシック向けホールの音響
構造がそうなってるってことなのかな。オーケストラの生音の定位
を求めるとこうなるとかいう感じか。

(MC)

ホールの紹介。ここにはよく聞きに来るそうな。
ピアノ(2台のスタインウェイ)を紹介しがてら、座って弾き始める。

4. Instrumental No.1

最初一節だけやって一度終わるのだが、客席右手の子供の声を
「ちゃんとやれ」という突っ込みのように受けて、全部を弾ききる。

この曲を弾いているときの手の動きを初めて見た気がするんだが、
あの主題部分って左手が一本指なんだな。へえ。
改めて、この曲って練習曲なのかなと認識する。

(MC)

ホールの紹介の続き。
「時価三億円」のパイプオルガンを紹介しに階段を上がって2階へ
上がりパイプオルガンにとりつく。オルガンを起動しつつキーを操
作してパイプの中央にある飾りを回転させてみたり。

5. トッカータとフーガ(パイプオルガン)

鍵盤にへばり付くように全体重をかけて弾く。
足鍵盤もあるし、あれ弾くのって体力仕事なのかな。

6. 主よ、人の望みの喜びよ(パイプオルガン)

一礼してスポットライトと共に谷村の姿が消える。

7. 来たれ友よ(合唱隊が登場しながらハミング)

舞台上手側で青いライトの指揮者。指揮者がいるのに、場所によっ
て発声のタイミングがずれている。会場の後ろから合唱隊がろうそ
くを手に客席の間を列をなして舞台へ向かうのだが、それで生じる
時間差なんだろうか。

8. ひいらぎ飾れ(合唱隊)

(MC)

東京クワイヤー合唱団「響」の紹介
メンバー紹介

9. フラジャイル(合唱付き)

(MC)

次の曲はお気に入りで、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュー
ジック」の劇中の人形劇から。

10. ひとりぼっちの羊飼い(合唱付き)

ヨーデル混じりなんだが、谷村も合唱隊もヨーデルの発声法があま
りできていない。

ま、コミカルで楽しい曲ではある。そのコミカルさは殆どパーカッ
ションが醸し出しているわけだが。

終わると合唱隊着席。

11. 愛は元気です。(合唱付き)

すごく薄い演奏で前奏が始まり、谷村が意味有りげに口に指を当て
てニヤリとする。前奏の終わりで落ちがついて一旦終わる。

(MC)

谷村が合唱隊に、次がこの曲だよと突っ込むと、合唱隊から、その
前にMCがと返される。

「何も考えてないんですが」と前置きしてひとしきり喋って、合唱
隊を呼ぶきっかけになったのがこの曲で、と紹介。

で、やっとフルバージョン。これだけ厚いコーラスが抜けていたら、
そりゃさっきみたいな薄い前奏になるわな。

やっぱり合唱隊が楽器の音に埋もれてしまうな。勿体ない。
テンポも速いし、なんだか雑な感じだ。

12. ときめきをBelieve(合唱付き)

13. 一番大好きだった

14. 恋に落ちた

前置き無しで歌い出しが始まるパターンなんだが、残響感なく音が
前から後ろへ通り抜けてゆくので、脊髄に来ないじゃないか。

15. 雪の扉(合唱付き)

ほう。この曲を持ってきたか。

(MC)

グッズの紹介。
清水寺で公募した今年の1文字が「災」だった話。
「試されている」という文脈で、ラーメンを食べに行ったら新聞紙
が入っていたので会計のとき店に突っ込んだ話。

次の曲は池田小の事件に由来するのだが、犯人が死刑執行されたこ
とについて、他に何かやりかたはなかったのかとやり場のない憤り
があり、この曲は今後も歌っていこうと決意したという話。

16. なまえのないうた(合唱付き)

(幕間) - 21:11-21:17

ジーンズなのだが、やっぱり胴の厚みがある気がする。
でも、結構身軽に動き回ってるしなあ。
「盛り上がっていきましょうか」

17. A-RA-WA

テンポがかなり速いので雑に聞こえる。

18. 好きこそ物の上手なれ(合唱付き)

間奏で「オリーブの首飾り」が流れて、菅原さんの手品。
谷村のポスターを破いて畳んで広げると元に戻る。
箱からエプロン・Tシャツ・トートバッグを取り出して客席へ投げる。
最後に取り出したものは直径30cmくらいの、ウンコのぬいぐるみ。
という落ちでみんながずっこけて合唱隊登場(合唱隊も半分が前へ
出てきてずっこけている)、曲の後半が合唱付きに。

(MC)

「聞いてないですよ」
この曲は本当は合唱付きではないはずったらしい。
合唱隊がネタに参加することも予想外だったらしい。

19. Tonight

1番の2フレーズ目で「疲れ果てた」となるはずのところを「月明か
りに」と歌いかけて「ちょっとちょっと待って」と演奏を止める。
「こんなことって普通ないわよねえ」と考え込む。どうしたのかと
思えば、「歌詞を聞いてるのよ」

一番長く歌っている、得意の曲の詞が思い出せず客に聞く事態に。
さすがにこの曲は譜面の準備もなかったか。

で、1階後ろの方から「疲れ果てた」と突っ込まれてやっと思い出す。
本当にど忘れしていた模様。

さらに自信がないのか、客に一緒に歌わせる。こっちも全部は覚え
てねえよ。

終わって手を振りながら袖へ引っ込む谷村。
と、一瞬で戻ってくる。「もう一曲やります。何がいい?」
すかさず客席から「FEEL ME」

20. FEEL ME

伴奏は谷村のピアノだけ。本当に、仕込んでいなかったらしい。

21. 信じるものに救われる(合唱付き)

これは仕込んであったのか。ダブルアンコールを時間短縮したって
ことか?

合唱隊も含め前に出てきて手をつないで一礼。合唱隊とバンドを袖
へ帰らせ、ひととおり愛想を振りまき、マイクを置いて生声で挨拶。
「どうもありがとう、メリー・クリスマス、そしてよいお年を。
  来年もまたお会いしましょう。」

本当にこれで終わりらしい。何だか消化不良な。

以上、21曲。

●終演 - 22:04

殆ど年中行事として、谷村の声が聞けたのは嬉しかったんだけどな。

ホールの音響構造のせいか、音が自分の周りをサラッと通りすぎて
いってしまう感覚のため、そして妙にテンポの速い曲が多いせいで、
曲の演奏が全体に雑に感じられた。

バンドの演奏も、専門外の楽器の演奏が雑というか練習不足に聞こ
える。落合さんのトランペットとか、加藤さんのハーモニカとか。

去年もそうだったし繰り返しになるが、合唱隊がバンドの楽音に完
全に負けてしまっているのも何とかして欲しい。

●今回の体型

一見して妊娠5-6ヶ月かと思ってしまうような太り方なのだが、MCで
何も触れないので妊娠しているわけでもないのかもしれない。この
辺りは、あまりにも見た目がそれっぽいので、普通に言ってくれれ
ば普通に祝福するのに何を水臭い、という思いがあったりする。

逆に、普通に太っているだけなのだとすると今までにない感じの太
り方のように見えるので、もしかして何か病気でも抱えているのか
と心配になるし、せめてギャグのネタにでもしてくれれば安心でき
るのに、と。

本当のところはどうなんだろう?

●客に歌わせるリスク

せっかくのTonightなので谷村の声だけで聞きたかったところだが、
あのハプニングのフォローという意味では致し方なしか。

客に歌わせるというのは、当の客からすると、数千円払って隣の客
のカラオケを聞かされたくはないという思いもあるので、一体感を
醸し出すという演出の意図との兼ね合いで(言葉は悪いが、言わば
捨て駒としての)選曲に注意する必要があるわけだ。
以上

2004/12/24 28:55


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