2000/03/01 山崎まさよし 日本武道館
「One Knight Stand Tour Arena 2000」
アリーナ Fブロック 48番
三浦敏孝
miura@computer.org

●開演前

仕事を早めに切り上げて、ぎりぎりの到着。

ホールツアーで行った山梨では、予習をしていなかったため、新曲
がとてもだれた聞き方になってしまった。メロディーやギターの
カッティングに聞き慣れた手癖の存在感が目立つようになって、あ
まり新鮮さを感じなかったのだ。結果、どの曲もライブでの印象が
薄い。

今回はだいぶ新しいアルバム「SHEEP」を聞いてメロディーが頭に
入ってきているので、新鮮かどうかは関係なく曲に没頭することが
できそうな気がする。

その辺をどんな風に捉えられるかが今日の課題。ってなんかえらそ
うだけど、前回だれちゃったのが自分で不満で、結構切実なのだ。

●座席

近い!

なにしろ武道館だ。1階や2階のスタンド席ではステージ上の人物が
豆粒になってしまうようなホールの中で、ちゃんとステージ上の楽
器や什器が現実味と立体感をもって見える距離。ラッキー。

ステージ上には、ギター1本と椅子とピアノ。

本当にこのサイズのホールで一人でやるんだ。

近くから見るせいか、あるいは、自分のいる席が武道館の中央付近
に当たるせいか、武道館全体に比べてステージが小さい気がしない。
見回すと、武道館全体がさほど大きくなく感じる。

●開演 - 18:40

ステージ下手側から階段を上って普通に山崎が現れる。

スクリーンよりも実物の方が解像度が高い。うれし。(^-^)

あっ! 前髪の間から、やけに高いところまで肌色が……もしかして、
生え際が……そこまで後退してるのか……? ステージ北側のスタン
ドからは頭頂を見下ろす格好になるはずだ。上から見るとどうなっ
てるんだろう……

イントロのハーモニカのメロディーの進行から「月明かり」かと
思った。違った。

1. ドミノ 
 

パルシブな演奏はいつものことだが、今日はいつにも増してカッ
ティングが歯切れよい感じがする。去年のドミノツアーのヘヴィな
アレンジとの違いが際立つ。

そして、歌詞が聞き取れる! 俺にとってこれは大きなことだ。これ
には、ギターの音がさほど硬くなく調整されていることも影響して
いる気がする。

しかし、声が出てない。特に高音が。地声で無理矢理がなっている
というか、風邪でのどに来ていて、かといって痛かったりたんがか
らんでたりするわけではないんだけど声が出ないときのような、じ
れったい感じの声。

音量はあまり大きすぎず、割れてもいなくて、適切。耳に負担がな
いのが嬉しい。

2. Fat Mama  

弦をまたいで親指と4本指とでギターの胴を小刻みにドラミングし
てボンゴのような音を出す。新兵器だ。面白い、面白い。とても効
果的に、音が豊かになってる。なんというか緊張感を与えている。

この曲の終わり近くになってようやく高音部まで声が出るように
なってきた感じ。

(挨拶)  

「どうも」たどたどしい挨拶。「ちょっと、でかすぎますね」
「はい、武道館着席」山崎自身も椅子に腰かける。

座ったときにギターを胴の角で膝の上に斜めにして演奏している。

3. 6月の手紙  

こういう口数の多い曲も、前回はよく聞き取れなかったわけだが、
今回は全部聞き取れる。これが慣れの影響なのか、それともアレン
ジのせいなのかはもう少しライブを聞き込んでみれば分かるだろう
か。あるいは、知らない新曲、たとえばヌイチャイナシンドローム
でもやってくれれば分かるだろうか。

4. ある朝の写真  

冒頭のハーモニカの部分が、ハーモニカであることに驚いて、とい
うか、CDではストリングスか何か、シンセサイザで出す音だったの
をハーモニカでやっている。そうかそう来るか、面白い面白い。

それでメロディーが同じということは、キーボードを弾くときでも
ブルースハープで出せる音(メロディーを吹こうとするとオーバー
ブローしないと出せない音があってはまることがままあるのだ)が
どれなのか分かっているわけね。

(MC)  

山崎が武道館へ客として来たときの話。一度はエリック・クラプト
ン、もう一度はBootleg Beetles。後者で何に感動したかというと、
前の席に高木ブーがいたこと。

5. 僕はここにいる  

周りを四角く囲んで、うしろから前へ45度の角度に立ち上がる赤い
光条。籠の鳥状態。

しかし、眠い。なんか室温が高いみたい。つら〜い。

6. 砂時計  

曲の前に、音を探しながらの、ウエストミンスターの鐘のメロ
ディーと、時報のメロディー。客が笑う。時報は随分やってるんだ
ろうけど、ウエストミンスターは慣れてはいないみたいね。

前奏の、CDではシンセでフルートの乾いたのっぽい音のメロディー
がハーモニカではやや高い音をまぶしたアレンジになっていて、淋
しげなというよりはきしみというか痛みの悲鳴といった感じに仕上
がっている。

7. 名前のない鳥  

周りを囲んで、今度は青い光条が垂直に立って籠の鳥状態。

8. やわらかい月  

曲が終わるごとにチューニングを直す。弾いているとそんなに狂う
のかあ。

終わってまたチューニングを直したあと、ギターを置き……何と、
ピアノの前に座る。いきなり「ツバメ」か「ピアノ」かその辺をや
るのかと思いきや、

9. One more time, One more chance  

映画「月とキャベツ」の中のものよりもシンプルな、デビュー前の
デモトラックのアレンジ。いや、それよりもさらに指がついていか
ないかのようなたどたどしい感じがする。単にバックにスライドギ
ターがないからというのではなく、明らかに手数が減っている、デ
モトラックよりさらに控え目な傾向の伴奏。

それにしても、今になってこれがこのアレンジで、しかも生で聞け
るとは思わなかった。うれし。

スクリーンにはキーボードの端から見上げる角度で山崎の手元が映
る。

曲の最後の部分は、いつもギターで弾いているアレンジと同じ音が
並ぶ。デモトラックの消え入るような感じの終わり方が好きだった
のだが、これは意識的にけりをつけた感じ。


曲が終わると、ピアノを覗き込むようにしたり、首をかしげたりし
ながら椅子の方へそろそろと歩いてきて座る。あれれ、ピアノでや
るの一曲だけ?

「いや、あの、曲順間違えてん」(客席爆笑)

「笑ってられるのも今のうちや、お前ら」

10. カルテ  

ドラミングしている間どうやってギターの弦を弾いてるんだろう、
弦から出ている音とドラミングとでリズムが一致している気が全然
しないのだけど、などと思いながら、サンプラーを使ったループだ
と気付くのにしばらくかかった。

でもよく考えると左手はしっかり動いてるのよね。やっぱり謎だ。

11. 水のない水槽  

サンプラーによるループ第2弾。

12. Passage  

(MC)  

「スクリーン、スクリーン」とつぶやきながら、会場内に設置され
たスクリーンを数える仕草をしながら、ぐるっと見回す。

「うしろからわいわい言うな」

で、客を立たせて、

13. アレルギーの特効薬  

間に何だったか有名な曲のカバーと、「ダンス天国」のサビをはさ
んでのコール&レスポンス。

14. 月明かりに照らされて  

15. Ticket to the Paradise  

妙に緊張感を高めてゆく前奏(間奏もだが)と歌に入るところとで印
象がえらく違う、というか、歌の第一声でいきなり転調してない
か? なんかとってつけたようになってるような気がしないでもない
ぞ。しかし、えらく気になるぞ、そのギャップが。というか、気に
入ったかも。

ま、そんなミスマッチによる味付けは過去に「長男」とかでもやっ
てるから、そういうところを楽しむアレンジなのだろうな。

赤くしたり青くしたり、「ti ti ti ticket to the paradise」の
部分でスポットが集まったりと、ライトを使った演出に力が入って
いる。本当にこの曲ばっかり力が入っているはずはないのだが、な
ぜかこの曲だけ力の入りようが目立つ、というか、照明の変化がひ
ときわ激しいからそのように感じるのだな、多分。

16. パンを焼く  

17. ヤサ男の夢  
    〜昼休み  

「ヘーイヘイヘイヘイヘーイヘーイ」という、聞き覚えのある(名
前が出てこないが、フィンガーファイブの曲にもあったあれだ)フ
レーズを使ったコール&レスポンスをはさんで「昼休み」
に繋ぐ。

「ヤサ男」に戻るところで、袖から3〜4mの竿が伸びる。先端にカ
ズーが。おい。(^^; 山崎はギターを弾きながらそこへ歩いて行っ
てカズーをくわえる。

(幕間) - 2023/2026  

18. 振り向かない  

19. おうちへ帰ろう  

20. セロリ  

21. 審判の日  

サビの合唱は叶わないことを悟ってか、そこでは煽らず、曲の最後
の「ふ〜」の部分を合唱させる。

(幕間) - 2047/2049

22. 明かりを消す前に  

以上、22曲。

●終演 - 20:55

前のライブが11月半ばの山梨だったから、かれこれ3か月半。結構
間が空いたものだ。だから、久しぶりに音に包まれていい気分だ。

席がよかったという要素が大きいのだろうとは想像されるが、実感
として、終わって気がついてみれば、武道館にしては音がよかった。
音量が適切だったのと相俟って、妙な残響に気分を害されることな
く最後まで気持ちよく聞ききることができた。

うれし。

会場を出るとMLやチャット筋の知り合いが三々五々集まる。あらか
じめ集合の手はずなど整えていなかったものだから、人込みに紛れ
てしまってなかなか知り合いに会えないのだが、集まるのを待って
いる間も気持ちよく余韻に浸る。

ああ、明日もチケット取っとくんだったなあ。

以上

2000/03/07 3:30


●後日談

いや、しかし、ライブ当夜にレポートを書き上げる元気が失せてし
まって長いのですが、ようやく今回に至って「よし! 書くぞ」と気
合いだけは入るまでに持ち直してきました。

が、結果はご覧の通り、一週間かけてようやく書き上げたようなあ
りさまです。お粗末さまでした。

曲順だけは相変わらずメモを取ってるんですが、曲との関連でMCや
その他のさまざまな事象を覚えておくことができないままです。

いろいろとうろ覚えです。

感想まで変えることはしませんが、事実関係の間違いに関しては指
摘して頂ければ幸いです。

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last update: $Date: 2002/07/27 19:03:00 $


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