2006/08/05 山崎まさよし 八王子市民会館
"HAND MY ADDRESS 2006"
1階15列50番
三浦敏孝
miura@computer.org

●会場まで

今日は八王子駅の北口側では八王子まつりというのがあるそうで、
浴衣の人々が大量に現れている中、逆走して南口へ。

会場へ向かう人の数が少ないのを気にしつつ、まあ開場時刻を過ぎ
ようとしているしな、と自分を納得させつつ、確かに今日だよな、
とチケットの印刷を確認したりしながら、会場までの単純だが長い
道のりを暑い中歩く。

しかし蒸し暑い。

●座席

普通、か。ステージ上の人物の顔は割とよくわかる。悪くない。
前の方に車椅子の人達が結構な人数いる。八王子は多いのかな。

ステージ上には、リビングといった趣の、棚があったり絵がかけて
あったりブラインドの下がった窓があったりする壁。天井から下がっ
た電灯の傘。右手の棚の高い位置に、チャーリーとしていじるつも
りなのか、ドナルド・マクドナルドの縫いぐるみ。

楽器の量が多い。一体何人登場するのやら。

●開演 - 18:10

オープニング。

右手奥からキタローが入ってきてベースラインを引き始める。少し
して左手からゲンタが入ってきてドラムに座り、ジャジーなリズム
を刻む。低いしわがれ声で互いに名前を紹介し合う。

そして山崎も左手から登場。3人ともリラックスした感じの登場。

1. NAVEL

リズムパートが強調されている。へヴぃなアレンジに持ってきたな。
割とすんなりと、会場総立ち。

2. 陽気なゴースト

座って聞いてもよさそうな曲だが、前の方の客は座らない。「待ち
に待った」という感じなのか、今日の客層は立ちっぱなしになりそ
うな感じだ。

後奏でローディーが恭しくトロンボーンを手渡し、キタローがちょ
びっとだけ(しかも上手くない)吹いて満足げにし、山崎が「終わり
かい」と突っ込む。

(挨拶)

キタローが窓のところへ寄って行ってブラインドを開けた(上げはし
ないのだが桟の向きを変えて素通しにする)のはこの辺だったか、そ
れとももう少し後だったか。
向こう側は黒カーテンで真っ黒。いいのか? 笑うところか? その割
に誰も反応しないのだが。それとも、あとで何かの表示にでも使う
のかな?

3. Long Yesterday

この曲は何だか分からなかった。でもカバーではなく山崎作っぽい
感じがする。

あとで聞いたら、シングル「アンジェラ」のカップリングだそうな。

4. メヌエット

またアレンジが変わっている。OKSTのときの、独演なのだが壮大な
イメージのアレンジとはまた違った感じで、でもリズムパートの強
さが違う角度からゲームの、というかファンタジックな旅のイメー
ジを想起させる。

俺ゲームやったことないんだけどな。

5. 十六夜

ゆっくりでもよさそうなのにテンポ速め。

6. Super Suspicion (エレキギター)

新しいアルバムの曲ばかりで攻めてくるかと思いきや、これを持っ
てきたか。

以前もジャジーなアレンジで攻めてきたものだが、さらにアシッド
な(用語が正しそうな気がしないが)というか、リズムを強調した、
しかし芯はしっかりとジャズな感じの、難しいんだが不思議な気持
ちよさのあるアレンジ。ゲンタが主役。

ここまで、おとなしめの曲でも前の方の客が座らず。休みなし。

ゲンタとキタロー引っ込む。

(MC)

これ、山田ピアノっていうんですよ。

そうか、あれオルガンのように見えたけど、以前のツアーでスタッ
フが作った例の木製キーボードスタンドか。

7. 8月のクリスマス(ピアノ)

(MC)

ピンポーン、とチャイムが鳴って、ジュースと菓子を持ってゲンタ
とキタローが入ってくる。

以下、ソファ周りでくつろぎつつ。そうか、ソファか。気付かなかっ
たよ。じゃあ、凄い量に見えるこれらの楽器は全部この3人で使うの
か。へえ。

気付いたら、ステージ奥のシンセサイザについている画面、表示が
スクリーンセーバーになっているらしく、いろいろな写真が次々に
ディゾルブで切り替わって表示されてゆく。さすがに遠くて何の写
真だかわからないが、多分写真集用に撮影したものだろう。

アルバム「ADDRESS」は山崎の自宅で録音したのだが、夜中に音を
立てているのが近隣に迷惑だったらしく、扉に貼り紙を貼られた話。

8. 未完成
9. ADDRESS

山崎、ソファから立って、前半で立っていた中央の標準ポジション
へ移動し、エレキギターを抱える。

(MC)

暑いねえ。海行きたいよねえ。

10. ビー玉望遠鏡(エレキギター)

キタローはステージ奥、窓のところにあるシンセサイザでリズムパー
トやらいろいろ。
ゲンタ、波の音の音効に使う道具でざざーっと。ときどきパンデイ
ロに持ち替えたり。こんな演奏ってあるんだなあ。

途中、「低気圧ボーイ」の一節が混入する。あまりにもシームレス
なのでどこからどこまでが「低気圧ボーイ」なのだか分からなかっ
た。

11. 全部、君だった(エレキギター)

そういえば近頃、あれっと思うような曲までエレキギターでやるよ
うになったな。この2曲もそうだ。

(MC)

山崎「華がないよね」「じゃあナンパしてきまーす」とキタローと
ゲンタが袖へ向かう。女性のゲストでも連れてくるのかと思いきや、
何とステージを下りて客席へ! ほんとに二人ほど連れてきたよ!

他のファンから恨まれるの緩和対策か、二人にはそれぞれちょんま
げと茄子のかぶりものをかぶせて、ポラを撮りつつ、山崎がギター
を抱えて座るソファのところへ連れてゆき、鈴を持たせる。セッショ
ンに混ぜようということのようだ。

一人が恐る恐る山崎のそばへ腰を下ろすと客席から悲鳴が。驚いて
飛び退くその人。そうだね、それくらい控え目がいいよ。

12. 中華料理

終わって二人を客席へ戻す。ステージを下り際に、先ほど撮影した
ポラを手渡し、握手。

13. 道化者のチャーリー

山崎一人、ギター一本。
暗くなって山崎一人がスポットで浮かぶとともに、右手の棚のドナ
ルド人形の段にも明かりがついて浮かび上がる。上の段の棚板に明
かりが内蔵されていた。

(MC)

再びキタローとゲンタが入ってくる。

銀髪のヅラをつけたゲン子との掛け合い。
山崎は鼻に道化の赤い玉をつけると同時に音声が匿名インタビュー
で使われるボイスチェンジャーになる。

何も食べてないから何か食わせろ、焼き肉は嫌だけど焼き物がいい、
と、どこへ話が行くのかと思ったら……

14. パンを焼く(途中からエレキギター)

早口言葉の間奏に入る前のところで一旦演奏を終えて、エレキギター
に持ち替え、テンポも速くなってノリノリに。

15. FAT MAMA(エレキギター)

前の曲からシームレスに繋がる。これもちょっと意外。「パンを焼
く」からすんなり繋がるのか。地味に驚き。

16. 長男(エレキギター)

これも新しいアレンジ。すごい、すごい。
16ビートでヘヴィなアレンジの「長男」。こんなことできるんだ。
びっくり。

17. アンジェラ(エレキギター)

18. 晴男(エレキギター)

「東京に住んでて阪神を愛してても」のところを「八王子のサマー
ランドは冬でもやってるのか?」と。オーガスタキャンプでも変えて
いたが、ここをいろいろ変えるお遊びができるようだ。

客に歌わせたまま3人とも引っ込んでしまう。キタローはご丁寧にも
先ほど開けたブラインドを閉めてから(相変わらずこれには誰も反応
なし)。そしてステージも暗くなる。
暗い中でローディーが出てきてギターのチューニングをやっている
のでこれが幕間なのだろう。

指揮者というかペースメーカーが不在のまま歌い続ける客が放置さ
れれば当然、だんだんテンポが速くなってくる。新しい趣向なのは
認めるけど、なんか嫌だなあ、こういうの。

(幕間) - 19:57-19:58

歌いながら何分も待たせるわけにも行かないだろうと思っていたら、
たった1分で3人とも登場。歌い続ける客に合わせて演奏を再開する
のだが、山崎のギターは違う曲に合わせたコードを鳴らしているの
で不協和。気持ち悪いよう。

そして次の曲はこのまま続けて、客の歌だけ終わらせてから始まる。

19. セロリ

20. 月明かりに照らされて

やや明るめなイメージの、陰のない珍しいアレンジ。特にどこがど
うと言えないのだが、従来のとははっきり違う。

珍しく前奏のハーモニカがなかった。前奏そのものも最近よくやる
アルペジオのやつとは違う。演奏前にハーモニカを選ぶのに手間取っ
ていたから、もしかしてBがなかった?

ゲンタとキタロー、引っ込む。

(MC)

あちこちのインタビューで言っているのだが、10年経って出した
「ADDRESS」は再びデビューしたような気持ちで作った。

21. バス停(エレキギター)

以上、21曲。

●終演 - 20:15

アンコールなし。

「バス停」は確かにエンディングといった雰囲気の曲ではあるんだ
が、これで終わって引っ込まれると終わった気がしない。
客電が点くと思わず「終わり会」と口に出してしまった。

確かに盛り沢山で楽しかったんだが、なんというか時間がほぼ2時間
ちょうどに近いのも手伝って、もう終わりか、という食い足りなさ
のようなものが残る。

いや、しっかり21曲もやっているし、見せてくれるひとつひとつに
不満はないんだよ。でも、ああ、時間の経つのが早かった。

ともあれ、去年までのイメージでどことなくマンネリの足音がして
いたのだが、それをしっかり払拭する、山崎の底知れなさを感じさ
せる新しい趣向いろいろで楽しいライブだったこともまた確かだ。

何度も見たいツアーだ。

draft 2006/08/05 27:30


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