Wellpine Music Club クラシック音楽の普及について

なぜクラシック音楽の普及を考えるのか (September 6, 1998)

一般にクラシック音楽は、堅いとかお高くとまっていると言われることが多いようですが、 実際にクラシック音楽の愛好家や専門家の中には、やたらと音楽を理屈っぽくする人や、他のジャンルの音楽を低く見る人がおられます。 音楽にジャンルの違いがあっても、純粋に音楽を楽しむ立場からは、どのジャンルも変わらないように思います。

クラシックだけが特別というわけではないとは思いますが、周りの人を見ても、CDショップの売場面積を見ても、テレビでの放映時間を見ても、 クラシック音楽のウエイトがもっと大きくなって良いと単純に感じられます。

私は、クラシック音楽が他のジャンルの音楽より一概に優れているとは思っておりません。ただ、実態以上にクラシック音楽に近寄りがたくしている要因があるように思うのです。 そこで、ここでは、特にクラシック音楽の普及を阻害している要因を考えそれを克服する方法について考えてみようと思います。

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クラシック音楽は堅い? (September 6, 1998)

ポピュラーミュージックのライヴ会場などでは、プレイヤーが演奏している最中にも、聴衆がワーワーキャーキャー大騒ぎをしていることは良くあります。 クラシック音楽のコンサート会場ではこんな光景はほとんど見られません。このような意味からは、クラシック音楽は、堅いと言われてもあながち否定はできないと思います。

では、クラシック音楽は堅いから普及しないのか?私は、そうではないと思います。人間はだれしも大騒ぎしたいときもあれば、静かにしていたいときもあります。 映画などの例を見ましても、確かに大当たりする映画は、いわゆる大衆娯楽作品と呼ばれるものですが、シリアスな映画も特に偏った映画ファンということではなく、一般の人が観ています。

では、一般の人が自分から積極的には、クラシック音楽を聴かない要因は何なのか?

それをこれから考えていこうと思います。

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学校教育の問題? (September 20, 1998)

学校の音楽教育が問題だという人がいます。音楽教育に限らず、学校で教えられることには画一的で、面白くないことが多いため、子供は反発し勝ちです。 ある大学教授に聞いたところ、大学生でさえそうだという例を話してくださいました。

その教授の話では、インターネットが普及したため、学生にインターネットを使って自主的に調べたことを発表してもらうことにしたところ、 今まで、授業をサボることばかり考えていた学生たちが、きちんと出席して自分の調査結果を発表するようになった。と言われていました。 学生たちは、勉強が嫌いなのではなく、押し付けられるのが嫌いなのだとのことでした。

まして、好奇心旺盛な小学生に押し付けに近い教育は逆効果のようにも思います。有名な歌手の中にも小学校の音楽の成績は良くなかったという方もおられます。 学校教育に問題が無いとは言えないと思います。

それでも、学校教育がクラシック音楽嫌いを作っていると言うのも言い過ぎではないかと思います。同じ学校に通って同じ教育を受けていながらそうではない人もいるのはなぜでしょう。 これには、学校教育のほかの要因が、学校教育と同等かそれ以上に働いているのではないかと思います。

その要因とは何でしょう?

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家庭の問題?地域社会の問題? (October 27, 1998)

学校でなければ、家庭に原因があるのかもしれません。育てられた家庭で、クラシック音楽を演奏したり、聴いたりすることが普通に行われていれば、少なくとも食わず嫌いとはならないでしょう。

ただ、子供は、両親や先生に反発したがることがあるので、必ずしもそのような家庭に育った人がクラシック好きとは限りませんが・・・

西洋クラシック音楽は、比較的最近、日本に入ってきました。ですから日本の社会全体が、慣れていないということも考えられます。しかし、ロックやポップスがほぼ完全に日本社会に根づいていることとの違いはどう考えれば良いでしょうか?

私は、クラシック音楽が学校を含む公的機関にあまりにも積極的に取り上げられたからではないかと思っております。民衆の文化というものは、公的機関の適度な(金は出すが口は出さない)支援は良い方に働くが、やりすぎ(金を出すので口も出す)はかえって反発を招くのではないかと思います。

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ジャンル (November 9, 1998)

話は変わりますが、普通クラシック音楽と言えばどのようなジャンルをさしているのでしょうか?

主なCDショップの分類では、広義のクラシックを時代区分で、アーリー・ミュージック、クラシック、コンテンポラリーと言う風に分けていますが、普通の人にとっては、アーリー・ミュージックやコンテンポラリーは、クラシックでは無いのかもしれません。

このような狭義のクラシック音楽の伝統的なスタイルは、ホワイト・タイ(燕尾服)、ブラック・タイ(タキシード)に代表される西洋風の正装で社交界に出ると言う姿を連想されるようです。これが、クラシックは、堅苦しいとか、コンサートには何を着て行けば良いかなどと聞かれる原因だと思います。

伝統的なスタイルを否定する気はありませんが、そのような堅苦しい雰囲気ではないコンサートもあることを知ってもらえれば、クラシック嫌いも少なくなるかもしれません。

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音楽産業 (April 2, 2002)

クラシックに限らず、現在の音楽は、生演奏(ライブ)ではなく、CDやラジオ、テレビなどの媒体を通して聴くことの方が多くなっています。

以前、音楽産業といえば、教育産業とコンサートのマネージメント産業が主でしたが、今や、CDのレーベル、要するにレコード会社がこの産業の大きな部分を占めています。

デジタル時代になり、CDなども簡単にコピーできるようになると、レコード会社は、自分たちの商売を妨げるものとして、コピープロテクトの必要性を訴えています。料金を支払わないで聴くとはけしからんということのようです。

ところが、テレビでも視聴者は直接的には料金を支払っていないにもかかわらず、レコード会社は、自分たちのCDやその内容が放送されることを歓迎します。これは、その後のCD需要につながると考えているからでしょう。

デジタル媒体が如何に進歩しても、実際に生きた人間が目の前で演奏する魅力には敵わないので、一案として、ライブ演奏をマネージしている会社がライブの宣伝のために、ただ同然でCDを配布するようなことをやってはどうでしょうか。

今後この問題を別トピックで取り上げるつもりです。皆さんのご意見をお待ちしております。

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