Wellpine Music Club 音楽メモランダム (2000年掲載分)

 目 次

 エロイーズ・カニングハムさん逝く (Dec. 1,2000)
 音楽に関する日々の話題 (Nov. 12, 2000)
 さようなら とうきょうエキコン (Oct. 23, 2000)
 クラシックライブを楽しむ会 (Sep. 10, 2000)
 Napster に対する暫定的サービス差し止め命令(続編) (Aug. 1, 2000)
 Napster に対する暫定的サービス差し止め命令 (Jul. 31, 2000)
 パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF) (Jun. 29, 2000)
 格安コンサートを提供する公共ホールの一例 (Apr. 30, 2000)
 隠れた名曲の演奏会を実現 (Jan. 17, 2000)

 1999年掲載分は、こちらにあります。


エロイーズ・カニングハムさん逝く (Dec. 1, 2000)
  • 日本におけるクラシック音楽の普及に多大な貢献をされましたエロイーズ・カニングハムさんが11月27日午前9時32分に101歳の天寿を全うされました。
  • 私がカニングハムさんの姿を最後に見ましたのは、1999年5月8日渋谷公会堂で行われました社団法人青少年音楽協会60周年記念シンフォニー・コンサートの会場でした。そのときは、車椅子こそ使われてはいましたが、まだお元気で、手を振ってあいさつされました。(その日のうちに、エロイーズ・カニングハムさんの偉業と題した雑文をウェブに載せました)
  • 日本の青少年に生の音楽を聴かせる努力を60年以上も続けてこられた偉業には、全く頭が下がる思いです。ご冥福をお祈りいたします。
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音楽に関する日々の話題 (Nov. 12, 2000)
  • ヤマハのウェブ・サイトに「おんがく日めくり」というページがあります。これは、音楽にまつわるエピソードを綴った日替わりカレンダーとのことです。このようなページを毎日更新されるヤマハの担当者の方も大変だと思います。
  • ここには、その日に生まれたり、没したりした音楽家に関するエピソードなども掲載されていますが、こと作曲家に関しましては、浜松にお住まいの花尾さん個人のサイトにある「今日が誕生日、没日の作曲家」のデータ・ベースの方が内容も豊富で、花尾さんの個人的な感想文などもあり面白いと思います。
  • 花尾さんの「今日が誕生日、没日の作曲家」は、このWMCのメーリングリストで、1998年5月12日から1999年8月31日までの間毎日投稿されていました。たまに、事情で、数日分をまとめて投稿されることもありましたが、花尾さんの投稿をきっかけにした話題もあり、音楽は、ただ聴くだけのほかにもいろんな楽しみ方があることを教えられました。
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さようならとうきょうエキコン (Oct. 23, 2000)
  • 演奏家と観客が普段着で交流することを目的に続けられてきました東京駅丸の内北口での「とうきょうエキコン」が、来月の9日の、第246回を最終回に幕を閉じます。
  • 最終回は、エキコン音楽監督の團 伊玖磨さんの指揮でオーケストラアンサンブル金沢の演奏が行われます。
  • これまでにも、江藤俊哉さんが自ら前座を買って出られたチャリティコンサート、私がWMCのMLで報告しましたマリンバ・ポニーズなど楽しい演奏を13年以上も届けてくれました。
  • 「とうきょうエキコン」の企画を担当されてきましたNHKエンタープライズ21の小野康憲さんが「一定の役割を果たした」ので終わることになったと書かれていましたが、なんだか別の理由があるような感じがしています。
  • それはともかく、あとまだ2回、エキコンが開催されますので、可能な方は一度参加してみてください。日時等の案内は、とうきょうエキコンのページに記載されています。
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クラシックライブを楽しむ会 (Sep. 10, 2000)
  • これまでにも未来からくる演奏家を聴く会ラ・フォリアなどクラシック音楽の裾野を広げるような活動をされている方々を紹介してきましたが、今回、また、「クラシックライブを楽しむ会」を紹介します。
  • 実は、9月1日にこの会の事務局をされています田野倉由美さんからメールで会の存在を知らされるまで恥ずかしながら全く知りませんでした。これまで、他の情報源から得たコンサート情報にたまたま「クラシックライブを楽しむ会」が関係されているものがあったようですが、私は全く意識しませんでした。
  • 通常、個々に紹介するときは、関係者の方に実際にお会いしてお話を聞いたものなどを紹介するのですが、このところその機会が作れていません。いずれ、詳しくご報告したいとは思いますが、まずは、この会のホームページをご覧下さるようお願い致します。

     クラシックライブを楽しむ会
     URL:http://www05.u-page.so-net.ne.jp/cf6/tanoyo/

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Napster に対する暫定的サービス差し止め命令(続編) (Aug. 1, 2000)
  • 昨日アップしたばかりの Napster に対する米連邦地裁の暫定的サービス差し止め命令は、結局延期されましたが、これには、一般の音楽ファンのサポートがあったからと言うことが大方の見方です。
  • CNET.COM が米国時間の昨日出したニュースによれば、「Napster の人気が粋な決定を促す」とタイトルがつけられています。
  • ともかく音楽ファンとしては、一息ついたというところです。

     CNETの記事

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Napster に対する暫定的サービス差し止め命令 (Jul. 31, 2000)
  • 既に一般誌でも騒がれています Napster に対する米連邦地裁の暫定的サービス差し止め命令について、皆さんは、どう思われますか?
  • Napster 自身は、当然のことながら、「今回の判決は、本質的に『1対1で非商用的なファイルを共有することが法律に反する』ということを指している。我々はNapsterコミュニティの成長のために、今回の決定に対して闘っていく」とコメントしています。
  • 一方、訴えた方の米国レコード協会(RIAA)の方は、「今回の決定は、オンラインミュージックの未来を開くものだ。Napsterの経営陣は、自分達のビジネスには著作権者の許可が必要だということを理解するだろう」と言っています。
  • 私自身は、判断に苦しんでいます。コピー機の普及によって、楽譜の違法コピーが氾濫したので、楽譜の価格が上がり、入手しにくくなったと言われていますが、今回のケースでは、別の調査結果も出ています。
  • 米Jupiter Communications の最近の発表では、「Napsterのユーザーは、Napsterを使わないユーザーに比べ音楽に費やす支出が増加している」との調査結果がでており、「レコード会社はNapsterのようなシステムをディストリビューションチャンネルに加えるなど、対処の仕方を考え直したほうが良い。」と提言しています。
  • 音楽ファンの一人として、個人的には、Jupiter Communications の提言を支持したいのですが。

     RIAA のコメント
  •  Jupiter Communications の発表記事

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パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF) (Jun. 29, 2000)
  • 今年も夏になりました。昨年、木曽音楽祭のホームページ紹介しましたが、今年は、パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)について。
  • PMFは、世界の若手音楽家の育成を目的とした国際教育音楽祭です。 故・レナード・バーンスタインの提唱で1990年に始まり、毎年夏、札幌を主会場に開かれており、世界的に著名な音楽家 の指導による教育プログラム「PMFアカデミー」のほか、数多くのコンサートや、小・中・高校の音楽教師、各種音楽学校の講師らを対象とした教育セミナーなど多彩なプログラムが組まれています。
  • 芸術監督には、サンフランシスコ交響楽団音楽監督のマイケル・ティルソン・トーマスとNHK交響楽団音楽監督のシャルル・デュトワ、PMFオーケストラの指揮者として、ライン・ドイツ・オペラ指揮者のチエン・ウェンピン、教授陣には、首席教授として、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席ソロ奏者ペーター・シュミードルをはじめ、そうそうたるメンバーで構成されています。
  • PMFの運営は、札幌市を主体として設立されたPMF組織委員会が行っておりますが、多くのボランティアの協力で成り立っています。スポンサーとして、超大企業4社が支援しています。
  • 音楽教育関係者、あるいは音楽学生ではなくとも、数多く開催されますコンサートを聴くことができ、一般の市民対象にウィーン・フィルのメンバーによる無料のコンサートなども開催されます。避暑をかねて北海道に聴きに行くのも一考かもしれませんね。

     PMFのホーム・ページ (http://www.pmf.or.jp/pmf_j/top.htm)
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格安コンサートを提供する公共ホールの一例 (Apr. 30, 2000)
  • カザルス・ホールが、収支の良くない自主公演を取りやめましたが、公共ホールでは、自治体の援助もあるので、カザルス・ホールのような民間ホールよりは、経済的には、楽なはずです。
  • とはいっても、クラシックの公演、特に、超有名ではない人の公演は、聴衆を集めるのも容易ではありません。入場料も、公共ホールとはいっても必ずしも安くはない場合が多いと思います。
  • その様なかで、東京都武蔵野市の武蔵野市民文化会館は、格安料金のコンサートを次々に実現されており、集客の努力も大変熱心に行われています。1回が2000円以下のコンサートもあり、これらは、このサイトの『無料!激安!!コンサート情報』 にも紹介しております。
  • ちょっと変わったところでは、ベルリン・フィルの第1コンサートマスター安永 徹さんのベートーベン・ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会を3日に分けて開催されますが、この入場料が、3回連続で4000円、1回あたり1300円強という安さです。
     第1回 2000年7月 7日(金) 19:00開演:第1番〜第5番
     第2回 2000年7月 9日(日) 14:00開演:第6番〜第8番
     第3回 2000年7月10日(月) 19:00開演:第9番〜第10番
  • 武蔵野市民文化会館には、このような企画を今後も是非続けて頂けるよう、応援したいと思います。
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隠れた名曲の演奏会を実現 (Jan. 17, 2000)
  • 若手の音楽家によびかけて出演者を募り、ジョイント形式で小規模の音楽会を年に3回〜4回のペースで開催されています「ログハウス」という名称の音楽事務所の話題です。
  • 「ログハウス」は、普段なかなか演奏される機会の少ないような、いわば隠れた名曲を紹介する場所づくり目指して、ソロなどの演奏会を年に1〜2回、室内楽とアンサンブルも年1〜2回程度開催されています。
  • 会場は、日暮里サニーホール・コンサートサロンが多いようですが、他にティアラ江東小ホール、すみだトリフォニーホール、ムジカーザ、奏楽堂などでも開催されるそうです。
  • 現在予定されていますコンサートは、下記のとおりです。
     第13回(2000年3月12日、日暮里サニーホール・コンサートサロン)
     第14回(2000年3月31日、すみだトリフォニーホール小ホール)
     第15回(2000年4月28日、かつしかシンフォニーヒルズ)
  • これらのコンサートの入場料は、全て1500円以下ですが、「ログハウス」代表の広田さんの言では、『入場料金はいつも1,000円〜1,500円です。特に「低価格」を旗印にしているわけではありません。このくらいの額がこの種の演奏会の料金としては適正価格だと思っています。フルDTPシステムの導入により、印刷物の制作、デザインなどを全て内製化してコストを下げています。』とのことです。
  • 価格は本来需要と供給の関係で決まるはずです。コンサートの場合、内容の良し悪しは、聴いて見なければ分かりませんので、需要側の選択も有名な演奏家なら高くても聴きに行く、無名の演奏家なら聴きに行かないということになりがちです。実際は、有名ではない演奏家でも立派な演奏をされる方が大勢おられますので、そのような情報を交換しあって「適正価格」のコンサートが増えるようにしたいものです。
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