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         前回「ヘリコでGo!3」より続く 
           
          ・・ これでやめておけば苦労を背負い込むこともなかったのだが、さらに挑戦は続いた。  
          次なる挑戦は最新バージョンでのフライトである。 
          何故、そんなに新しいものにこだわるのか?  
          X-Planeは色々な機種で飛ばすことが出来る優れたソフトである。 
          専門サイトを調査したところ、さまざまな機種がフリーでアップロードされている。 (前回より抜粋) 
         そして、そこには何と"AIR 
          WOLF"があったのである! 
          CIAコードネーム A56-7W mach One Plus. (マッハワンプラス) 
          ベル222を改造、各種火器を装備しマッハ1を超えるスピードで飛行する、あの機体である。 
          これは我が国でも「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」として放映され、大ヒット。 
          一大ヘリコプターブームを巻き起こし、これを見てヘリコプターファンになった人もいるほど。 
          国内外を問わず今も熱狂的なファンがおり、エアウルフを取り上げたサイトも多い。 
          しかし当然言うまでもなく、ヘリコプターでマッハ1を出すのは空力的に不可能なのだが、「出せる」と思いこむ人が続出、テレビの影響は恐ろしい・・ 
         
         そのエアウルフをX-Planeで飛ばすことが出来る!  
          懐かしさに駆られ(かく言う私も毎週欠かさず観ていた・・)、早速ダウンロードを試みた。 
          ところが、問題発生。これはV5.54以上でなければ動かないのだ。 私の今のバージョンはV5.31。動かない!こうして無謀な挑戦は始まった。 
           
          最新バージョンのデモ版はサイトから無料でダウンロード出来るようになっているのだが、デモ版とはいえ容量は何と70MBもある。 その後、最新版を入手するまでにはこれまた大変な苦労があったのだが、またダラダラ書くと、もう読んでくれなくなりそうなので省略する。(28.8Kbpsの超低速モデムで、しかも公衆網という劣悪環境でダウンロードしなければならなかったのだ・・) 
         さて、AIR WOLFをセットして、立ち上げる。 
          「おおおおおおーーーー!!」 
          
          AIR WOLF for X-Plane 
          (created by .Matthew Mclatchy) 
         完全デジタル化された黒い計器盤、独特のツヤをもった機体が見事に表示される。 
          ここであのテーマ曲が流れれば、もう完全にTVの世界である。  
          残念ながらテーマ曲は(当然)流れないが、何とあのSF的な笛を吹くようなローター音までが再現されているのだ!(但し急旋回した時に発する、あの狼の遠吠えのような「アオーン(?)」(表現が難しい)という風切り音は聞こえない) 
         
         ゆっくりと上昇、空港を離れ、ギアアップ。 
          ベル222の特徴ある引き込み脚(主輪はスポンソン内に後ろから前へ折れ曲がって格納される)もしっかり再現されている。 アップにすると少々粗が目立つきらいもあるが、全体のプロポーションはうまく表現されている。 
          ここまでは通常のベル222と変わらない。本領を発揮するのはこれからである。  
         パネル右下に黄枠に赤い字でTurbineと書かれたスイッチを見つけた。 
          「何だ?」と思い、クリックする。 
          と、いきなり窓の前に乱流が発生、あたりの景色がもの凄い勢いで後ろへ流れ、ジェット機のような猛スピードで飛び始めた!ヘリコプターにあるまじきスピードで飛び去り、その航跡が白く残る。 
          「 ターボだ?! 」ということはマッハ1で飛んでいるのか? 
           
           マニュアル(英語)に、15,000lbsの推力に2分間耐えられるようバーティカルフィンを再設計した。 JATO(ジェットの意味だろうか?)を使用する場合はコレクティブを最低の位置に下げ・・:-) 
          と書かれていたが、「:-)」(笑いのマーク、横から見ると笑っているように見える、日本では(^^))が書かれていたので冗談のつもりだろうと思っていた。 
         
          これがまさか、本当に使えるとは思ってもいなかったが  
          マニュアルによるとターボの連続出力は2分間。それが切れる前にローターモードに戻し、あとはオートローテーションテクニック(エンジントラブル時にエンジンからの動力伝達を断ち、風の抵抗でローターを風車のように回転させて降下する緊急時の着陸方法)で着陸せよとある。 
           
          ところがX-Planeのデモ版には5分間という制限がある。それ以降はコントロールがきかなくなるのだ。 
           
          一旦ターボに点火したはいいが、あとは止め方が分からず右往左往している内に5分たち、あとはなすすべもなくコントロールを失い、墜落となる。 
          ・・という訳でマッハの壁はなかなか破れないのである。  
          
          AIR WOLF for X-Plane 
          (created by Matthew Mclatchy)  
         余談だが、X-Planeは地球のみならず何と宇宙空間(火星)でもスペースシャトルやロケットを飛ばすことが出来る、非常にユニークなFSである。(本題とは外れるので、これについては別途) 
          という訳でTVのあるエピソ−ドでエアウルフはターボを点火しで成層圏まで上昇したので、試してみたが、(一向に空は暗くならず)空はどこまでも青空であった・・ 
          さて、こういう遊びはやめて、無難な機種でまじめに訓練に励もうと思った。 
          そして、ある日、また見つけてしまったのである。アレを・・  
          しかもその内バージョンはV5.62から、更にV5.66に上がっていた。 
          「コイツ(アレ)」はV5.66でなければ動かない。さらなる挑戦は続く。 
          さて、アレとは何か、ヒントは日本に2機しか存在しないとてもユニークな機体である。 
          さて、続きは次回、お楽しみに to be continued.  
        2001/5/13 
          
         また次回か・・ と欲求不満な読者のために、おまけを一つ・・。 
          実はこのエアウルフのテーマ曲にまつわるちょっとした笑い話があるのだ。 
          数年前に友人K氏から聞いた、その失敗談をこっそりご披露しよう。 
        ある日、K氏は昼休み時間にサイトを検索中、エアウルフのサイトがあるのを発見。  
          (この会社では特に休憩時間中のホームページの閲覧を制限していない。勿論ア○ルトサイトは論外である) 
          早速閲覧、飛行シーンの画像に見入っていたところ、ページの下の方に「テーマ曲」というアイコンがあるのに気づいた。 K氏はイヤホンを持っておらず、普段はパソコン内蔵のスピーカから音を出さない設定にしているのだが、誘惑にかられ、「ちょっとだけ、かすかに音が鳴る程度ならいいだろう」と、音量ボリュームをマウスで最低にセットして、そのアイコンをクリックした。 
           
          ところが、クリックした途端、意に反し大音響と共に勇壮なテーマ曲が流れ出し、 
          「悪魔的天才、モフェット博士が発明した超音速攻撃用ヘリコプター、エアーウルフは!!」 
           と日本語のナレーションが部屋いっぱいに鳴り響いたのである。 
          ビックリしたK氏は慌ててボリュームを落とそうとしたが操作に慣れず、分からない。  
          「・・依頼を受けたストリングフェローホークは」 
          まだ続く STOPをクリックしたが、ダメ、あきらめてパソコンの電源スイッチを押した。 
          だが電源が切れない?! ナレーションは続く  
          「エアーウルフを奪い返すが・・」 
          パニックに陥った彼は、最後の手段、とパソコンの後ろから電源コンセントを力一杯引き抜いた。  
          「・・こうして世界の各地で活躍する事になったのである」 
           
          やっと止まった。 しかしすでに音楽とナレーションは終わっていた。  
        あたりに静寂がたちこめると、背後から次々と爆笑がわき起こった。  
          しかしゼーゼーと肩で息をしながら、顔を真っ赤にした彼は、恥ずかしくてとても後ろを振りかえる勇気はなかったという。  
          
         
           本人はまさに大パニック、心臓が口から飛び出るほどドキドキしたと思うが、その光景を想像すると爆笑せざるをえない。 しかし、これがエアーウルフのサイトだったからかわいいものだが、もし、怪しげなサイトを覗いていて、女性の変な悩ましい声が大音量で流れようものなら・・ 
          あぁ、想像するのも恐ろしい・・ 
         皆様もこのような目にあわぬよう、是非注意されたい。  
          ほら、そこのあなた。他人事ではないかも・・  
        2001/05/13 
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