浜松ドクターヘリ、4月から本格稼働 

 


浜松の聖隷三方原病院でスタンバイする中日本航空のアグスタA109K2
(ARIS様 撮影)

 先日「東海大学病院ドクターヘリ3月休止」の暗いニュースをお伝えしたが、数日後、静岡から明るいニュースが飛び込んできたので以下に紹介する。


2001年2月5日(月)付中日新聞によれば概要は下記の通り

「しずおか現場から」 4月からドクターヘリ本格稼働

 静岡県西部の主要病院でつくる浜松救急医学研究会が実験運航しているドクターヘリが、国、県の助成を受けて四月から本格的に稼働する。

状況:県と研究会は四月以降の本格就航について協議を始め、県は中部地域にも出動範囲を広げる方針で、
    約九千万円の助成を新年度予算案に盛り込む方針。

課題:費用負担。研究会は「ヘリが出動するのに一回三十−四十万円、年間で一億八千万円ほど必要」と指摘    実験は寄付や研究助成金でまかなわれたが「ヘリ会社の赤字覚悟の協力で、何とかなったようなもの」   (関係者)という。

今後の展開:2001年度は国が2/3、県が1/3を助成するが、次年度から国の助成は1/3に減る見通し。
       残りは、市町村の負担や健康保険の適用が議論されているが、未確定。
      中部への運航は、県立総合(静岡市)など主な病院にヘリの受け入れを要請。
       学校など場外離着陸場も確保できる見通し。
       将来は東部に基地を設け、県全域をドクターヘリ二機でカバーする構想も浮上している。

以上 2001年2月5日(月)付中日新聞inしずおか より抜粋   新聞記事全文は中日新聞参照


コメント

  さて、前回の記事の続きとして読まれた方は、神奈川県が降りたために、静岡県が手を挙げたと勘違いされるかも知れないが、そうではない。

 浜松救急医学研究会は東海大学、川崎医大の2病院に先駆け半年前に開始した、いわばパイオニアである。 厚生省の試行事業とは別の形で、後ろ盾を持たず、寄付などの細々とした資金と赤字覚悟の運航会社の取り組みとで賢明に頑張ってきた。 この努力が認められれ、静岡県も前向きに検討を始めた、
しかし国の補助を受けるためには、ドクターヘリを運用する医療機関が「救命救急センター」に指定されていることが条件とされる。 その為静岡県はドクターヘリのヘリポートがある浜松の聖隷三方原病院を「救命救急センター」に指定、これにより国の補助を受ける体制を整えた。
このように実は以前から着々と準備が進められていたのである。(注)

 自治体(静岡県)と病院、運航会社が三位一体の努力を続けた結果として、この度の4月運航開始となったことは誠に喜ばしい。しかも県は、県西部だけではなく中部にまで拡大、掛かる経費の1/3の6000万円だけではなく、それ以上の9000万円を予算案に盛り込む方針という。
来年度はさらに負担が多くなると予想されており、今後継続的な予算化というリスクを背負いながらも、今年度予算計上するその勇気に拍手を送りたい。

(注:静岡県がかなり前向きに取り組んでいる件は、昨年12月中頃より中日新聞などで既に報道されていましたが 実際に補助が決まるまでは、と当サイトでは扱いを慎重にしておりました)


 前回、神奈川県の出方によっては全国のドクターヘリ事業を危うくするかも知れないと書いた。
静岡県は前向きに取り組み、問題はなくなったが、他県はまだ予断を許さない。

  関係者は語る。
「これからドクターヘリを導入していこうとする県及び病院には並々ならぬ努力が必要であり、この事業に新たに参入を表明している運航会社は決して甘い汁が吸えるものではないことを十分に承知する必要がある。
ドクターヘリの未来は決して明るいものではなく、いろいろ問題点を抱えながら行われていることを認識して欲しい。」

 そう、だからこそ、自治体の協力が不可欠である。
単に運航会社の事業ではなく、その地域住民に密着した「自治体のサービス」として是非定着していってほしいものである。(終)

2001/02/10



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