東海大学でそのの有効性が実証され、地域にも根付きつつあったドクターヘリ。
しかし予算の関係で導入が見送られ、多くの論議を巻き起こしたことは記憶に新しい。
関係者は14年度に望みをかけ、その復活が切望されていたが、ここに来て明るい光が見えてきた。
2月8日付(毎日新聞神奈川ニュース によれば
「神奈川県は平成14年度当初予算に「主な新規事業 福祉・医療」の項目として
ドクターヘリの開始に1億7,461万円を計上した。
救急患者の搬送のためのヘリと連絡体制の整備費。東海大学病院が実施主体になる。」
これは2月7日に発表されたもので、2月15日開会の2月定例県議会に提出されたという。
また一方、神奈川県保険医療計画の改訂も行われた。
同計画は1997年2月に策定されたが、その後の社会環境変化などを踏まえ見直しを行い、2002年度を初年度とする改訂計画を策定したもので、2002年2月18日付で記者発表された。
概要は以下の通り(膨大な資料の為、ドクターヘリの箇所のみ抜粋する)
神奈川県保険医療計画 <改訂計画の概要>
III章 保健医療の基盤づくり
3 救急医療の確保
(1)救急医療
【現状と課題】6項目
●救命救急センターへの新しい患者搬送システムとして、
ヘリコプターなどの救急搬送体制を検討することが課題となっています。
【施策展開】
4 三次救急医療(より高度で特殊・専門医療が必要な重症患者を対象、初期、二次よりレベルが高い)
○救命救急センターへの新しい患者搬送システムとして、ドクターヘリの導入を図ります。
以上、今回は「ドクターヘリの導入」を明記していることが注目される。
但し、本件はあくまでも当初予算案であり、導入時期など詳細は発表されておらず、今後の動向が注目される。
しかしいずれにしても復活に向けて一歩前進した訳であり、県の前向きな姿勢に拍手を送りたい。
13年度は見送りとなったドクターヘリ、14年度こそ正式運航となることを、心から祈りたい。
尚、神奈川県保険医療計画は神奈川県のホームページに全文が掲載されており、該当個所はP32〜P35。
35ページには「ドクターヘリ運用の流れ」という図も掲載されている。
(但しPDF形式の為 、Adobe Acrobat Readerが必要)
■補 足
神奈川県の13年度「見送り」に関して様々な意見がありましたが、その当時明確な理由が分かりませんでした。
この度、神奈川県ホームページにその理由が明記されておりましたので、併せて紹介致します。
(質問)ドクターヘリについて 男性、40歳代
「県の財政が厳しいことは理解するが、テレビ番組でも取り上げられたヘリコプターによるサービスを打ち切ることは納得できない。」
(回答)
ドクターヘリの事業につきましては、平成11年度と12年度の2か年にわたり東海大学を含む全国2か所において国の直接補助事業として試行的に実施されてきたもので、これによりドクターヘリの救急患者の救命率向上に関する効果が検証されつつあります。
13年度は、国はドクターヘリ事業を全国6か所の都道府県で実施するための予算を組んでおり、事業費の負担割合は、国2/3、県1/3とされております。
さて、県では、救急医療体制についてもこれまで整備に努めてきましたが、医療各分野ごとに見ると、必ずしも十分には整備されているとはいえない状況にあります。
そのような中で、最終的な判断として小児救急医療等の、より地域に密着した基礎的な医療の充実が優先的課題との認識に至ったこと、さらに神奈川県の救急医療に関する地理的な状況・条件(他県に比べ交通アクセスが比較的良好なこと)等の要素を勘案し、一般事業としてのドクターヘリの導入について、平成13年度からの実施は見送ることとしたものです。
以上 神奈川県ホームページ神奈川県県民部広報県民課わたしの提案班より
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2002/03/10
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