空の日フェスタ2017 岡山空港で「きび」展示見学会実施
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JA119H ベル412EP 岡山県消防防災ヘリコプター きび
2017年9月23(土)〜24(日)、岡山空港に於いて空の日のイベント「空の日フェスタ」が開催され、岡山県消防防災航空隊のヘリコプター「きび」の展示見学会が行われた。(展示は24日のみ) 岡山県消防防災航空隊は2009年(平成21年)4月に発足。当初は県南にある岡南飛行場に航空センターを置いていたが、同飛行場は海抜が低く付近に河川や湖があり、南海トラフ地震の際には津波の危険性があるため、同時被災(岡山市消防航空隊や県警航空隊も常駐)を回避、リスク分散の為、標高の高い岡山空港に移転、2016年8月31日に新センターが開設された。 センターは立入り禁止区域にあり通常では入れないが、当日は開放され車両の通行も可となっていた。 ここに常駐するのは、ベル412EP「きび」である。 愛称の「きび」は岡山県の古称である「吉備(の国)」からとっているが、その他、きびきびと機敏に活動するという意味もある。機体デザインは赤色を基本とし、岡山の晴れ渡った空と瀬戸内海及び山を表す三つの青色の円が描かれている。 登録番号の119Hは119は消防を、Hは晴れ(Hare)の国岡山を表す。 この「きび」」は全国の消防防災航空隊で使用されているベル412の中で現在最も新しい機体でもある。 (EPi型を除く) この「きび」だが、空港に居ても普段ではなかなか見られないとあって、見学会受付の1時間前から並ぶ人も居り、感心の高さをうかがわせた。 |
見学会は1回30分程度、先着30人限定で10:30〜15:00まで計4回実施された。 来場者は受付をしたあと、資料をもらい、ハンガーの中の各種装備を見学、エプロンに出ている機体及び装備の説明を受け、その後フリータイムで自由撮影・・・という流れ。 |
説明は機体の諸元から、装備に至るまで副隊長自ら実施。 特にヘリコプターテレビ画像伝送システムについては「例えば県北の津山市上空を飛んで撮影した画像を瞬時に岡山市の県庁に送ることが出来ます」といった具体的な地名を挙げた分かりやすい説明が来場者から好評で、皆うなずきながら説明を聞いていた。 |
見学会は終始なごやかなムードで進み、最後にフリータイム。 安全面に配慮し機体に触れることは禁止となっていたが、キャビンに腰掛けることはOKで、家族で機体に腰掛け、隊員の方に写真を撮ってもらう姿も見られた。 近くで機体を見た子どもたちからは「もっと小さいかと思ってた。」「大きいんだねー!」「カッコイイー!!」等、大きな声が上がっていた。その他、来場者の中にはちょうど“或るTV番組で「きびの活動」を見た”という老夫婦も居り、活発な質問が飛び交っていた。 |
岡山空港は滑走路が東西にのびており、展望デッキからは逆光となる。 また、元の岡南飛行場に於いても同様のロケーションで、順光で撮れるポイントが少ない。 本日のように南側から順光で撮影できるチャンスは貴重と言える。 当日はときおり雲が出ていたが、概ね晴れ。 “晴れの国”と呼ばれる岡山の太陽を浴びて、「きび」の赤い機体は青空に映えていた。 |
岡山県は災害が少ない土地として知られるが、先日9月18日の台風18号では台風が接近、倉敷沿岸部などで避難勧告が出、実際に床上浸水する家屋が出るなど災害に無縁ではなくなってきている。 倉敷といえば古い町並みの残る美観地区が有名。 しかしあまり知られていないが倉敷は江戸時代、海を埋め立てて作られた干拓地である。 沿岸部では水島コンビナート等が有名で、地名に水島、早島等、島がつく町が多いのはその名残である。 それ故、地盤的にはもろい。南海トラフのリスクがある以上、比較的安全とされる地域に於いても備えは重要である。 そうした意味でも、このような見学会を実施し“防災についての意識を高めてもらう”、また“航空隊の存在を知ってもらう“ことは万が一の時の懸念の払拭、心の支えとなり、県民の安全安心につながり、大いに意義がある。 今回は見学会なので、残念ながらデモフライトはなかった。 岡南飛行場祭りでは深いバンクをとっての急旋回など豪快なフライトが見どころとなっている。 岡山空港は長い滑走路を有し、かつトラフィックが少ない、と、デモフライトが出来る条件は揃っている。 是非来年の空の日には、きびがダイナミックに大空を舞う姿を見たいものだ。 2017/9/30 |
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