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平成24年度緊急消防援助隊 中国・四国ブロック合同訓練 実施!

 2012年11月1〜2日、山口県で緊急消防援助隊 中国・四国ブロックの合同訓練が行われた。


 11月1日(木)、2日(金)、山口県に於いて「緊急消防援助隊 中国・四国ブロック合同訓練」が行われた。これは緊急救助隊の各ブロックとして毎年行われるもので、今年は山口県山口市阿知須(あじす)きらら浜を会場に9:00〜12:30に渡り、さまざまな訓練が行われた。
 
 訓練は平成24年11月1日(木)午前9:00頃、山口県山口市阿知須を震源とするマグニチュード7.6の直下型地震が発生、山口市で最大震度6強、防府市秋穂沖で発生した余震により津波も発生、これらの被害により、死者及び負傷者ならびに孤立者が多数発生しており、人的被害は今後更に拡大する模様、こうした被害の発生から、山口県内の消防本部は被災市に向け応援出場を行ったが、山口県内の消防力だけでは対応が困難なため、県外の緊急消防援助隊の応援派遣を要請した・・という想定で実施された。


1日目

1日目は参集訓練。
山口県消防防災航空隊の基地がある山口宇部空港が使用された。

山口宇部空港のAエプロンに5機が集結。
Aエプロンは通常旅客機が使用するエリアだが、ここに広島県、島根県、愛媛県、徳島県、岡山市の5機が勢揃いした。
その他、同空港をベースとする山口県の「きらら」も被害状況調査を、また山口県警察航空隊も参加し、ヘリテレ送信を行った。


訓練を終え帰投する広島県防防災航空隊 ベル412EP  「メイプル」


帰投の為エンジンスタートする岡山市消防航空隊 BK117C-1 「ももたろう」


ANA B787定期便の離陸の後を追うようにR/Wへ進入する「ももたろう」


山口県警察航空隊 A109E 「あきよし」   後方は山口県消防防災航空隊 「きらら」


2日目

 2日は会場をきらら浜に移動。
同会場には多重衝突事故、土砂災害等、地震直後の惨状が再現され、全国各地から緊急車両、隊員たちが集合、さまざまな訓練が行われた。
 ヘリコプターは同きらら浜会場の一角にフォワードベース(以下 FBと略す)を設置、ここから訓練会場を往復する形となっていた。


指揮支援隊を乗せた広島県防災ヘリコプター「メイプル」が訓練会場に到着


DMATや消防隊員が見守る中、会場へリポートに着陸


指揮支援隊を降ろし、すぐさま離陸、FBへ戻る


愛媛県消防防災航空隊 BK117-B2 「えひめ21」がFBへ到着


 また、ドクターヘリも参加。
今回は山口大学病院のドクターヘリが会場に着陸し、患者搬送を行った。


山口大学病院ドクターヘリ BK117C-2 がFBに到着


 さらに海上自衛隊も参加。飛行艇と掃海ヘリコプターを使用し、海上を低空飛行、シーマーカーを投下する津波漂流者救出訓練を行った。


海上自衛隊のUS-1が海上にシーマーカーを投下


続いて海上自衛隊のMH-53Eが海上にシーマーカーを投下


山口県消防防災航空隊「きらら」がシーマーカーを目印に海上へ駆けつける



島根県防災航空隊 BK117B-2 「はくちょう」がFBに到着


徳島県消防防災航空隊 BK117-C1 「うずしお」がFBに到着


FBにBK117の3機が勢揃い


ヘリテレを担当、ずっと上空旋回していた福岡市消防航空隊のAS365N3 「ゆりかもめ」がFBに着陸



上空では山口県警察航空隊のA109E 「あきよし」が会場上空でヘリテレを続行



会場で、突然轟音と共に火柱が上がり黒煙が立ち上る


状況把握のため、ヘリテレを担務する「ゆりかもめ」が再び離陸


ドクターヘリも負傷者搬送に離陸


各航空隊へ次々と指令が下る。 すぐさま「はくちょう」が離陸


高層ビルに取り残された人々の救助に向かう


高層ビル上空にホバリングし、ホイストで隊員が降下


高層ビル屋上からホイストで救助



メイプル」にも広域医療搬送の指令が下る


会場で負傷者を収容し、病院へ急行



フライトを続けていた「きらら」がFBに着陸



消防車が集結し一斉に消火に当たり、広域医療搬送で各航空隊が離着陸を繰り返す。
そして、「えひめ21」、「うずしお」の両機にも空中消火指令が下る



えひめ21」が消火バケットを吊り下げ離陸


「うずしお」も消火バケットを吊り下げ離陸


黒煙で視界の悪い中、「えひめ21」が空中から散水し、消火


続いて「うずしお」が空中消火見事命中!



訓練は無事終了 会場では閉会式が行われる


閉会式終了までFBで待機するBK117の3機

12:30 閉会式終了
「はくちょう」、「うずしお」が離陸、最後に開催県の山口県消防防災航空隊「きらら」が離陸し、FBをあとにした。



地上支援員に手を振りながら山口宇部空港へ帰投するきらら

 こうして訓練は無事終了した。
四国ではBK117が多いが、今回は広島のベル412、福岡のAS365が参加し、異機種混成の訓練となった。異機種の場合、過去にも様々な課題が抽出され、改善が進んでいる。
今回参加の航空隊の中でも後継機の導入が済んでいるところもあり、来年は更なる異機種混成の状態が進む。
 10月末に行われた近畿ブロックの訓練ではJAXAが総務省消防庁と進めているD-Net(災害救援航空機情報共有ネットワーク)が活用された。これはディジタル化された消防防災ヘリコプターの最適運航管理システムで、従来の電話とホワイトボードというアナログの運航管理手法と比べ、災害の発見からヘリコプターへの任務情報伝達までの時間を約7割程度短縮できる効果を(近畿の訓練で)確認できたという。(JAXA 10/31付プレスリリースより)
 いざ震災発生、時間優先という考え方から、最適の機体を最適のタイミングで投入する効率化という概念がとり入れられ始めている。D-Netが全国展開されれば、更なる”効率化”が進むだろう。
 また、津波被害を大幅に見直し、現在の海に面した空港にある航空隊の拠点を高地へ移転することを検討している自治体もある。こうした様々な課題を抽出しクリアすることにより、磐石な防災体制が確立されるものと期待する。

以上 各機の訓練内容は下記の通り
No. 団体名 機種 愛称 登録番号 主な訓練項目
1 島根県防災航空隊 BK117B-2 はくちょう JA6723 C、E
2 広島県防災航空隊 B412EP メイプル JA6774 @、E
3 山口県消防防災航空隊 BK117C-1 きらら JA21YA B、E
4 徳島県消防防災航空隊 BK117C-1 うずしお JA109R D、E
5 愛媛県消防防災航空隊 BK117C-1 えひめ21 JA6679 D、E
6 福岡市消防航空隊 AS365N3 ゆりかもめ JA08FC A、E
7 山口大学病院ドクターヘリ BK117C-2   JA6925 E
8 山口県警察航空隊 A109E あきよし JA10YP A
9 海上自衛隊 MH-53E     Bシーマーカー投下
10 海上自衛隊 US-1     Bシーマーカー投下
@本部など設置運営訓練
A災害情報収集/情報伝達訓練
B津波漂流者救出訓練
C中高層建物救出訓練
D大規模火災消火訓練
E広域医療搬送訓練

コメント

 轟音と共に火柱が上がり黒煙が立ち込める中、次々と離陸してゆくさまは非常に迫力があり、まさに実戦に即した訓練という感じを覚えました。
 またタイムスケジュールは事前に頂いていましたが、詳細内容を明らかにしないブラインド訓練とあって、スケジュールはあって無いようなもの。特に広域医療搬送訓練ではどの隊に指令が下るか分からず、隊員の方も大変だったと思います。
閉会式に於いてもこのブラインド訓練の成果が十分確認できたとの賛辞がありました。
各航空隊の皆様、本当にお疲れ様でした。
2012年12月4日

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