第14話
- あらすじ
- 相模一高に向かう選手の中、大木は一人校門に立ち止まった。イソップとの出会い、思い出を振り返り涙を流す大木は、そこに通りかかったマスターに「ぶん殴ってくれ」と頼む。目が覚めたと言う大木はマスターの後ろに乗り相模一高に向かった。大木が着くと試合が始まった。試合は前半、大木が決定的なチャンスをつぶすとそこから流れは相模一高へと変わった。前半が終わって0-10。ハーフタイム、前回の大敗に比べれば大健闘の川浜であったが、「自分たちがゼロなことには変わりない」と部員は悔しがった。これに対し賢治はあえて前半チャンスをつぶした大木を責め、弱気にならずに失敗を次に生かすことを考えろ」とカツを入れて選手を送り出した。後半が始まった。川浜にペナルティーキックのチャンスが訪れたがキッカー森田ははずした。その後川浜は怒濤の攻撃で2トライを奪い追い上げるが、その後のコンバージョンはいずれもはずしてしまう。一方ペナルティーキックを確実に決めてくる相模一高の前にノーサイド直前で8-13。善戦むなしく勝負は決したと思われたが、あきらめない川浜フィフティーンは大木のサイド攻撃からトライを奪い12-13とした。キックが決まれば逆転である。この日全くキックの決まらない森田は自信をなくしていた。森田はキックを変わって欲しいと頼むが、賢治は認めなかった。川浜のキッカーは森田だ。その時近寄ってきた大木は、東都体育大学の時は見事に決めたじゃないかと言う。森田は以前の東都大4軍との試合で川浜唯一の得点をキックであげたのであった。森田の迷いが消えた。無心になった森田は見事にキックを成功させ、その後相手のノックオンで試合終了した。14-13。川浜が勝ったのである。イソップに勝利を報告し、関係者の見守る中葬儀が行われた。葬儀も終わり、部室のスローガンは「打倒!! 相模一高」から「目標 全国大会出場」に変わった。
- 独り言
- 特になし
- 「イソップは星になんかなりゃしねー。明日になれば焼かれて、灰と一つかみの骨になるだけだ。そうだろ。えっ。それ以外に何が残るって言うんだよ。」
「思い出が残るわ」
「思い出?」
「そうよ。イソップ君はみんなが胸の中に思い出として残している間は生き続けていることが出来るのよ。それともあなた、明日彼の体が焼かれるのと一緒に、思い出まで焼き捨ててしまうつもりなの?イソップ君は誰よりもあなたの心の中で生き続けたいと望んでたはずだわ。その願いを、一つかみの骨と一緒に埋めてしまう気なの?」
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