第19話

あらすじ

「新楽」で山崎の歓送会が行われた。その場で大木は、これから出発するまで加代の頼みは何でも聞くことにしようと提案する。そこで一度みんなとプレーをしてみたいという加代の願いから、翌日加代やマネージャーを含めて練習をした。練習後、山崎が練習日報を書いていると賢治がやってきて、毎日欠かさずに付けてくれた加代に礼を言った。次の日の練習中、加代のところに現れた名村直は、以前していた加代へのプロポーズの返事を聞いた。加代はそれを、お互いが半人前だという理由で断った。2人が話をしているとそこへ大木が駆けつけた。大木が帰れと言うと、直は以前殴られたお返しと言って大木を殴った。そのことを発端として殴り合いが始まった。賢治が止めに入り落ち着かせると、賢治のもとで部室で話し合いが行われた。大木は賢治に名村を憎む理由を話した。8年前、大介がまだ子供の頃、小さな雑貨屋である家の前に名村グループの計画で大きなスーパーが建ち、そのために閉店に追い込まれた。名村はその弱みにつけ込み土地を買いたたいた。大木の父は酒浸りになりその後首をくくった、というものだった。二度とここへ来るなという大木に対し、直は自分には直接関係がないと言って聞き入れなかった。大木は直と2人っきりで話をさせて欲しいというと、タイマンを申し込む。その場をうっかりマネージャーに聞かれるが、決して言うなと釘をさし、賢治には仲直りしたと伝えた。翌日、授業中に大木は抜けだし、約束した場所に行く。一方そのころ、加代は和歌山に向かう列車に乗り込もうとしていた。とその時加代は昨日の練習日報を書き忘れたことを思い出す。加代は自分に感謝してくれた先生に対し申し訳がないと言って学校に戻った。大木と直がタイマンを張っているその時、学校ではそのことを知るマネージャーが話をしていた。その話を偶然聞きつけた加代は止めるべく飛び出して行った。急ぐ加代が、車の行き交う道を無理して渡ろうとしたその時、車にはねられてしまう。一方タイマンは賢治が必死に止めに入っていた。その時マスターが加代の事故を知らせに来たのである。皆が病院に駆けつけると輸血の血が足りないと言うことで血液型の合う人間は採血をした。これらの努力のかいもあって、加代は意識を取り戻した。賢治に必死に謝る加代であったが次の瞬間病状が急変し加代は息を引き取ったのである。後日山崎の葬儀が行われた。参列者の焼香の後、賢治は加代の付けた練習日報の任意のページを読み上げた。日報の最後には、「花園出場」の4文字が書けなかったことを悔やみ、また大木と直にもう一度よく考えて欲しいと言うことが綴られていた。これだけのことを書くために引き返してきた加代に対し大木は加代の前に泣き崩れ自分の行動を悔いた。そして大木と直は和解したのである。加代の死と引き替えにチームは再びまとまり、日報に「花園出場」を書くべく、練習に励んだ。

独り言

特になし

「これを聞いて何も感じないのか。大木、直君。もし何も感じないとしたら君たちは人間じゃない」
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「加代さん、すまん。あんた殺したのはこの俺だ。俺が昔の恨みにこだわってタイマン張ったばかりにあんた車にはねられたんだ。俺のせいなんだ。」
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「加代は最後までマネージャーであった。その心が部の一つの危機を救ったのである。」

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