第20話

あらすじ

月日は流れ、大木主将を中心に練習をしてきたラグビー部は、秋の県予選を迎える。川浜は順調に駒を進めるが、そんな中大木一人が不振を極めた。思いあまって賢治が事情を聞くと、大木の母がまた心臓を患って入院したと言う。心配する賢治に対し、今度の試合はしっかりやると言う大木を見送り、賢治は森田、圭子と共に「新楽」に行く。そこには名村 謙三がいた。圭子の本当の父親である。謙三は、圭子の母、三好 夏子との出会い、富田に預けた過程などを話した上で、圭子に帰ってきて欲しいと言う。それにとまどう圭子と、また大木の手前、部に顔を出さないで欲しいという賢治の前に、多忙な謙三は帰っていった。これを機に謙三は失踪する。一方のラグビー部は準決勝、相変わらずの大木の不調にチームは苦戦する。試合は辛くも川浜が勝つが、試合後大木はラグビーを辞めると言い出す。「新楽」において部員たちが引き留めるが、「部員の代わりはいても、母親の面倒を見られるのは自分だけだ」と言う大木は辞めると言って聞かなかった。その時、この話を陰で聞いていた名村 謙三が店に入ってくる。近所に越してきた者と嘘をつく謙三は、自分の経験を話し引き留めるが、結局大木は「元はと言えば名村のせいだ」と言って出ていってしまう。その後、責任を感じる謙三はせめてもの気持ちと言って賢治に手術代の300万円の小切手を渡す。結局このお金のおかげで大木の母は手術を受ける事が出来た。数日後、グラウンドに現れた謙三のところに、謙三を探していた部下がやってくる。このとき大木に謙三の正体がばれ、大木は殴りかかるが、手術代を出してくれたのが謙三だと知った大木は、謙三を一発だけ殴り、このことにけじめをつけた。相模一高との決勝戦の日、母親の手術日と重なっている大木は、そのことが気がかりで一度はリザーブを代わりに出して欲しいと頼むが、再び現れた謙三の説得により大木は闘志を燃やした。この試合、大木の活躍で試合は川浜の優位に進んだ。後半盛り返す相模一高の前に点数は24-23。一点のリードで迎えたノーサイド直前、一瞬の隙をつかれた川浜は、ボールをインターセプトされる。これを必死で追いかける大木のタックルで相手を止めるとノーサイドとなった。川浜優勝である。ここに目標であった「花園出場」が達成された。賢治には花園に向け新たな闘志が湧いていた。

独り言

特になし

「先生よ、いっそ銀行強盗でもやって、お袋のために300万作ってやりてーよ。のんきにボールなんか蹴ってられるかよ。」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「先生の知り合いに金持ちがいるわけねえしな」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「先生よ、俺もラガーマンだ。恨みつらみは残さねえ。これでノーサイドって事にするぜ。」
「大木」
「あの世の親父も、これでいいって言うだろう。」

前回

次回

トップページへ戻る