第21話
- あらすじ
- 目標としていた「花園出場」を果たした川浜高校。またその試合当日に行われた大木の母の手術も見事に成功した。花園出場に際して壮行会が行われ、翌日花園に向けて立った。花園での初戦、初めての経験に緊張する選手たちを、同じくらい緊張していた賢治が解きほぐした。試合は初めこそぎくしゃくしていたものの、徐々にペースをつかんだ川浜の勝利に終わった。勢いに乗る川浜は二回戦も突破。勝利に喜ぶ川浜フィフティーンであったが、その中で一人不機嫌な者がいた。内田玄治であった。玄治は、川浜勝利のグラウンドに息子である治男がいないことに腹を立てていたのである。玄治は川浜の宿舎になぐり込みに行き、どうか次の試合息子を出してやってくれないか、と頼んだ。しかし賢治は断る。タックルに行く事を怖がる治男は、ベストメンバーではないからだ。玄治は怒って神奈川に帰ると言って飛び出していった。3回戦、対戦相手は城南工大高である。帰ると言っていた玄治もこっそりスタンドで観戦していた。試合は前半終わって0-0。接戦であった。後半最初にトライを挙げたのは川浜であった。川浜がペースをつかみかけていると、川浜の選手が負傷した。代わりに出てきたのは内田治男であった。玄治大喜び。ところが賢治の不安は的中した。その後、内田がタックルに行けずにそこからトライを奪われると、流れは一気に城南に傾いた。城南はFBの曽根を中心に巧みに攻め込み、結局大差で負けた。負けた悔しさに泣き崩れる部員に「相手が上手だった。やむをえん。」と言う賢治。川浜は神奈川に帰った。学校に戻ると、早速来年に向けての練習が開始された。スローガンも「打倒!!城南工大高」に変わった。そんな中、自信をなくしたと言う内田が退部届けを差し出した。賢治は比較的あっさりとそれを受け取った。その後内田玄治は治男を連れて、賢治の家を訪れ、簡単に退部させた事を避難した。賢治は、弱点の分かっている治男をもう一度期待してあの試合で使ったこと、見事に裏切ったこと、それでも待ったこと、奮起せずに辞めると言いだしたこと、など治男の勇気がない事から退部届けを受け取った経緯を説明した。それを聞いた治男は、玄治の手を引き賢治の家を出る。言い過ぎたことを気にかける賢治は後日、帰宅途中に「ダァー!」と言う声を聞く。声のする方に近づくと、治男が木に向かってタックルの練習をしていた。陰からしばらく様子をうかがっていると、玄治と兄の勝が来た。止める玄治を振り払い練習を続ける治男。部に戻りたいという治男に勝も協力してタックル練習をした。賢治は、治男が「勇気」を身につけて帰ってくることを確信した。
- 独り言
- 花園なのになぜかダッグアウトがあるけど、これを言うのは今更って感じもするな。
- 「喧嘩の方がよっぽど楽だぜ」
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「治男、そんなにつらいんだったらラグビーやめてもいいんだぞ」
「誰がやめるもんか」
「しかしな、それじゃ今に体をこわして・・・」
「うるさい、今度ラグビーをやめろなんて言ったらな、勘当するぞ」
「お前勘当って、そりゃあ親が言う言葉だよ。馬鹿だなお前は」
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「やだ。俺もう一回ラグビーやるんだ。滝沢先生にもう一度ラグビー部に入れてもらうんだ」
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