169
169系 臨時急行「ゆけむり」 9716M 
高崎線 上野 1998年11月1日撮影
 1967年(昭和42年)に横川〜軽井沢間の急勾配(66.7‰)に対応するため、専用電気機関車(EF63)と協調運転が可能な直流急行形電車165系900番代を製作し、各種性能試験を行って満足行く性能が得られたので、翌年の1968年(昭和43年)に169系直流急行形電車を製作しました。当時は冷房準備車でしたが、1968年(昭和43年)第4次債務車は冷房付きで登場しました。
 165系の場合、碓井峠を通過する際は専用電気機関車の推進、牽引による運転のため、編成が8両に制限されていましたが、当形式登場により、12両での運転が可能になりました。
 車体は165系の冷房車を基本とし、車体の強化を行っております。主回路は同時期に登場した165系の増備車を基本として一部を協調運転用の機器に変更し、直列段でのノッチ戻しや直列弱め界磁を可能とし、主抵抗器の容量を増大しています。また、協調運転用の引き通し線の付加を行い、運転台はユニット表示灯付きとなっています。
 形式はクモハ169、モハ168、クハ169が基本で、グリーン車はサロ165から、食堂車はサハシ153から改造しましたが、現存しません。
 165系900番代は量産改造され169系900番代となりましたが、その後も165系と共通運用され、現在では他形式(455系等)に改造され存在しません。
 1986年(昭和61年)にはサハ165形5両とともに「新急行」用にアコモ改造が施されました。1986年(昭和61年)11月改正で夜行急行「妙高」が189系化されたため、碓井峠を越える169系による定期列車は姿を消し、その後、「新急行」も快速「みすず」となりました。
 1997年(平成9年)9月30日には長野新幹線開業により、信越本線横川〜篠ノ井間(横川〜軽井沢間はバス転換)は廃止され第3セクターしなの鉄道として生まれ変わり、169系は本来の使命を失いました。また、169系の一部がしなの鉄道に譲渡されています。
 2003年(平成15年)に残念ながら全廃されました。
←戻る TOP 掲示板