E353
E353系(S109編成) 特急「かいじ」109号 3009M
中央本線 春日居町〜石和温泉 2018年9月16日撮影

E353系(S109編成) 特急「かいじ」109号 3009M
中央本線 春日居町〜石和温泉 2018年9月16日撮影

1.概要
 中央本線の特急「スーパーあずさ」で使用されていたE351系、特急「あずさ」、「かいじ」で使用されているE257系の置き換え用に登場した特急型電車です。
 編成は、基本編成が9両編成で、付属編成が3両編成で組成されています。
 編成は下記のとおりです。
←千葉・東京・新宿     甲府・松本・南小谷→
 クモハE353−モハE353-1000−クモハE352+クハE353−モハE353-500−モハE352-500−モハE352-2000−サハE353−サロE353−モハE353−モハE352−クハE352

2.車体構造
 車体はE657系で実績のあるアルミニウム合金製の中空押し出し形材を用いたダブルスキン構造が採用されました。
 先頭部は高運転台構造で屋根とホロ蓋部を除きFRPで構成されています。
 乗降扉はクモハE353、クハE353は片側に2か所、その他の車両は片側1か所の片開き式の扉が設けられました。
 踏切事故対策のため先頭鋼体と運転台への出入り台部をクラッシャブルゾーンにしています。

3.車内設備
 普通車の座席は、2+2配列の回転式リクライニングシートが採用され、シートピッチは960mmとなっています。
 グリーン車の座席は、2+2配列の回転式リクライニングシートが採用され、シートピッチは1160mmとなっています。
 JR東日本の在来線特急車両としては初めてLEDの間接照明が採用されました。
 窓際の荷駄名の下には各座席の風量と風向きが調整可能なスポット式空調装置が採用されました。
 各座席には座席の後ろ側下部、または肘掛けの下にサービスコンセントとパソコンなどが置ける収納テーブルが設置されてます。
 便所、洗面所はクモハE353、モハE352、モハE353-1000、モハE352-500、クハE353、サロE353、サハE353に設けられています。
 車いす対応設備はモハE353-1000、サロE353に設けられています。
 多目的室、車販準備室、AEDはサロE353に設けられています。
 2、4、9号車に電話、3、5、8号車の熱海寄りにトイレと洗面所、3、8号車に車椅子スペースを設けています。

4.機器類
 制御装置はIGBT-VVVFインバーター制御が採用され、1台のインバーター装置で2群(主電動機4台=1群)または1群を制御します。
 主電動機は冷却用ダクトを車体側に設けたかご形三相誘導電動機(MT75B形:140kW)を電動車に4台設けられてます。
 ブレーキは、回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、フラット防止のため各軸に速度センサを設け、滑走防止弁により各軸のブレーキ力をコントロールしています。
 駆動方式はTD平行カルダン方式が採用されました。
 台車はヨーダンパ付軸梁式ボルスタレス台車で、電動車はフルアクティブ動揺防止装置を搭載したDT81形、アンチローリング装置を搭載したDT82、フルアクティブ動揺防止装置及びアンチローリング装置を省略したDT81Aが採用されました。付随車は、フルアクティブ動揺防止装置及び駐車ブレーキを備えたTR265、フルアクティブ動揺防止装置を備えたTR265A、フルアクティブ動揺防止装置及び駐車ブレーキを省略したTR265Bが採用されました。車体傾斜機構はマップ式制御で空気バネに吸排気を行うことで傾斜させています。
 保安装置は、ATS-PS形とATS-P形を設置しています。

5.主な履歴
 2015年(平成27年)7月25日に量産先行車が完成し、実際に営業運転する区間で各種性能試験を行いました。
 2017年(平成29年)12月23日から営業運転が開始されました。
 2018年(平成30年)にローレル賞を受賞しています。

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