653系
653系(K303) 1036M 特急「フレッシュひたち」36号
常磐線 天王台〜取手 2006年9月3日撮影
 1997年(平成9年)老朽化した「ひたち」用の485系電車の置き換えようとして、4M3Tの7両基本編成4本が製造されました。その後、1999年(平成11年)に基本編成4本と2M2Tの付属編成3本が製造されました。編成は全て普通座席車で、グリーン車の連結はしておりません。
 車体は軽量化と構造の簡素化を図ったアルミ大型中空押出型材製で、基本断面は縮小限界とし、パンタグラフ折りたたみ高さを4140mmとしているため、中央本線などの架線高さが低い線区以外は、JR東日本館内の全て(信号保安の種類を無視すれば)の狭軌電化区間を走行できます。床の高さは1140mmとし、651系同様ステップなしとしました。運転席は踏切事故を考慮して衝撃吸収材をボンネット内に配した高運転台構造を採用しました。車体・機器類は耐寒耐雪構造となっています。また、各機器の送風機を廃止し、極力騒音の少ない物としております。
 制御方式はVVVFインバータ制御で、定速制御及び抑速ブレーキ制御も可能です。電圧形PWM制御方式のIGBTインバーター1台で4台の三相誘導電動機を制御します。歯車比は1:5.56で、設計最高速度は140km/hとなっていますが、運転上の最高速度は130km/hです。ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、回生ブレーキはT車分も負担する遅れ込め制御も行います。また、各軸にセンサーを設け、滑走防止弁により各軸ごとのブレーキ制御を行って滑走時の再粘着促進を図っています。
 台車は軽量ボルスタレス式のDT64(動力車)、及びTR249(付随車)が採用されています。従来より簡素化されているものの保守の容易化、乗り心地向上が図られ、可変絞り付きの空気バネ及びヨーダンパを使用しています。軸箱支持は軸はり式で、バネにはゴムの防雪カバー付きコイルバネを採用し、上下動を抑止するダンパーを設けています。軸受けは密封式の円錐ころ式を採用しています。
 客室の内装は車体に設けられたカーテンレールのような取り付け座を利用して内装パネルを固定、腰掛けはリクライニング時に座面の角度が連動して変わり、座面もスライドが可能な改良型リクライニングシートを採用しています。また、客室内(便所などを含む)の蛍光灯・ダウンライトは全て直流電源(DC110V)により点灯する物とし、交直のデットセクション通過時でも消灯しないシステムとなっています。
 基本編成の塗色は4種類で、スカーレットブロッサム(赤)は「梅と好文亭」、ブルーオーシャン(青)は「塩屋崎海岸と灯台」、イエロージョンキル(黄)は「ひたち海浜公園と水仙」、グリーンレーク(緑)は「霞ヶ浦と帆曳船」のシンボルマークが付きます。また、付属4両編成は全てオレンジパーシモン(朱色)で、「袋田の滝と紅葉」のシンボルマークが配されています。 
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