E657
E657系(K16編成) 特急「ひたち」6号 6M
東海道線 新橋〜品川 2018年9月20日撮影

E657系(K7) 特急「ときわ」78号 78M
東海道本線 新橋〜品川 2021年1月17日撮影

1.概要
 常磐線の特急「スーパーひたち」、「フレッシュひたち」で使用されていた651系、「フレッシュひたち」で使用されていたE653系の置き換え用に登場した特急型電車です。
 編成は10両編成で組成されています。
 編成は下記のとおりです。
←品川・東京・上野                                       水戸・いわき・仙台→
 クハE656−モハE657-200−モハE656-200−サハE657−サロE657−モハE657-100−モハE656-100−モハE657−モハE656−クハE657

2.車体構造
 車体はE659系で実績のあるアルミニウム合金製の中空押し出し形材を用いたダブルスキン構造が採用されました。
 先頭部は高運転台構造でFRPで構成されており、踏切事故対策のためクラッシャブルゾーンが設けられています。
 乗降扉はクハE656が片側に2か所、それ以外は片側1か所に片開き式の扉が設けられました。

3.車内設備
 普通車の座席は、2+2配列の回転式リクライニングシートが採用され、シートピッチは960mmとなっています。
 グリーン車の座席は、2+2配列の回転式リクライニングシートが採用され、シートピッチは1160mmとなっています。
 窓際の荷駄名の下には各座席の風量と風向きが調整可能なスポット式空調装置が採用されました。
 各座席にはサービスコンセントとパソコンなどが置ける収納テーブルが設置されてます。
 便所(男性用小便器、洋式)、洗面所は奇数号車に設けられています。5号車には車いす対応のトイレが設けられています。
 多目的室、車販準備室、車いす対応設備はサロE657に設けられています。

4.機器類
 制御装置はIGBT-VVVFインバーター制御が採用され、1台のインバーター装置で2群(主電動機4台=1群)または1群を制御します。
 主電動機は冷却用ダクトを車体側に設けたかご形三相誘導電動機(MT75B形:140kW)を電動車に4台設けられてます。
 ブレーキは、回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、フラット防止のため各軸に速度センサを設け、滑走防止弁により各軸のブレーキ力をコントロールしています。
 駆動方式はTD平行カルダン方式が採用されました。
 台車はヨーダンパ付軸梁式ボルスタレス台車で、電動車はDT78形、付随車はTR263が採用されました。
 保安装置は、ATS-PS形とATS-P形を設置しています。

5.主な履歴
 2012年(平成24年)3月3日の臨時特急「復興いわきフラガール」号で営業運転が開始されました。
 2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正より特急「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」で定期列車の運用に就きました。
 2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正より常磐線の定期特急は全て当形式で運用されることになりました。
 2013年(平成25年)10月より、指定席の発売状況を確認できるよう各座席情報にLEDランプを取り付けるための改造工事が行われました。このことにより、常磐線の定期特急から退いていた651系が2015年(平成27年)3月まで再び定期運用についていました。
 2019年(令和元年)に東日本大震災の影響により不通になっていた区間が開通し、仙台まで乗り入れできるようになることから2編成が増備され、2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正より仙台乗り入れが実現しました。

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