207系
207系 千里丘 1999年5月9日撮影
 1991年(平成3年)1月にJR東西線用として先行試作車7両が製作されました。
 JR東日本の207系900番代と同じ形式になっていますが、形状は全く異なっています。
 車体はオールステンレスで、先頭車はプラグ式の非常用貫通扉が付いています。扉上部には字幕式種別表示器、運転席側にはLED行き先表示器が取り付けられています。裾部・肩部のRを小さくして直線的なデザインとなっています。車体幅は2950mmとなり、従来の通勤車より広がり、さらに扉間の側窓は大型の固定窓になるなど従来の通勤車のイメージを一新しています。
 制御装置はパワートランジスタを応用したVVVFインバーター制御で過電圧耐量の不足を補うため前段にチョッパを採用し、さらに3ステップインバータ採用により低騒音かが図られました。また、チョッパー部とインバーター部を一つの機器箱に収納して一体化することにより、保安機器への誘導障害防止も図られています。ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式の空気ブレーキで、回生ブレーキ力を有効に活用するため遅れ込め制御方式を採用しています。
 側窓が固定式のため、空調装置の他に換気装置が設けられ、マイコン制御により全自動運転が行われています。
 1991年(平成3年)度から量産車の製造が開始され、基本的な仕様変更はありませんが、運用の関係から3両、4両編成が登場し、分割併合が出来るように自動解結装置、電気連結器を装備した先頭車が100番代として登場しました。
 1993年(平成5年)度に東海道・山陽本線の103系置き換え用として、再度設計の見直しが行われ、1000番代として登場しました。JR西日本のアーバンネットワークのどこの線区でも使用できるよう、また運用上のフレキシビリティを持たせるため、2両編成が構成できるようにMc(先頭電動車)が製造されました。VVVF制御装置も681系で実績のある1C1M(1個の制御装置で1個の電動機を制御する方式)となり、電動機の出力もアップされて1M2T(1両の電動車に対して2両の非電動車の構成)が基本となりました。機器、システム等は223系281系と同じ設計思想で統一され、部品の共通化が図られています。また、1000番代は先行の0番代とも併結可能になっています。
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