1000系(1501F) K1208Z列車 準急
京阪本線 森小路 2014年5月25日撮影
新塗装

1000系(1501F) M1000H 準急
京阪本線 大和田 2006年3月25日撮影
旧塗装

1000系(1503F) R1107B列車 普通
京阪本線 森小路 2014年5月25日撮影

1.概要
 戦前の流線型ブームに乗って登場した半鋼製1000形グループの機器を流用し、車体を新製した700系が1968年(昭和43年)〜1972年(昭和46年)にかけて製造されました。
 700系は走り装置が古くて昇圧には適さないため廃車とし、1977年(昭和52年)〜1978年(昭和53年)にこの車体を流用して冷房化、走り装置を新製したものが1000系です。流線型以前にも1000形があったので、1000系列を名乗る車両はこれで3代目に当たります。
 つり掛式700系では5M2T編成でしたが、1000系では5000系と同じ走り装置を新製し、他の通勤車と同じ4M3Tになりました。昇圧は単車方式にしたため、M車が分散配置されています。なお、700系は44両ありましたが、旧600系に編成されていた 781・ 799 は、1978年(昭和53年)に 690・ 691 と改番されて600系に編入され、昇圧時の1981年(昭和58年)12月に廃車されたので、1000系の車体としては7連×6本分となっています。

2.車体構造
 車体は18.7mの鋼製車体で、片側に両開き式扉が3カ所設けられています。
 700系の構体を利用しているため、側板が直線で窓が2連窓になっているのが特徴です。
 前照灯ケースはそのままで、中にシールドビームがとりつけられ、ホロは撤去、貫通扉下部に行先表示装置が設置されましたが、旧形の標識灯はそのままにされています。
 冷房化に伴い先頭車のパンタは連結面側に移設され、2200系と同様の分散形クーラーが搭載されました。

3.車内設備
 座席はロングシートが採用されております。
 一部の編成で車体更新時に車椅子スペースが設けられました。

4.主な機器類
 走り装置は全面的に新製され、5000系3次車と同様の高速対応形の性能をもっています。制御装置は単車昇圧方式にしたため4M1Cであり、主電動機は4個永久直列接続で直列段の段数を増やし、直列最終段から弱め界磁制御に入る独特のものになりました。台車はM車が2200系以来のエコノミカル式、T車が2000系以来のFS-337系列にあたる側梁緩衝ゴム式です。

 5.主な履歴
 1983年(昭和58年)に1,500V昇圧する際は、結線変更等の小改造で対応しました。
 1991年(平成3年)より車体更新及び機器更新を行いました。その際に、ヘットライトを角形シールドビーム、標識灯を角形のLEDタイプに変更されました。また、前面の左右窓が大型化され、中央の貫通扉の窓は下方向に伸ばされ、行き先種別方向幕と一体化したデザインとなりました。さらに、先頭車の長さが100mm延長され、運転台が拡大されました。
 制御装置は界磁添加励磁制御に変更され、1C8M化にするため、編成変更も行われました。回生制動が可能になり、回生制動を優先とするため空気制動遅れ込め機構を有するHRDA-1に変更されました。
 2008年(平成20年)より新塗装に変更されました。
 2009年(平成21年)より防護列車無線・無線列番設定器が搭載されました。
 2017年(平成29年)よりヘッドライトのLED化が行われました。

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