6000系(6014F) 普通 R1105B列車
京阪本線 大和田 2019年11月24日撮影

6000系(6014F) 普通 R1105B列車
京阪本線 大和田 2019年11月24日撮影

6000系(6004) 準急 D1004Z列車
京阪本線 大和田 2006年3月25日撮影
旧塗装

1.概要
 1983年(昭和58年)〜1990年(平成2年)在来車の昇圧工事をコツコツと進めていく中で、その最後を飾って登場したニューモデル車です。昇圧困難なつり掛車の代替を主目的とし、その大胆なデザインとすぐれた技術が評価されて、鉄道友の会のローレル賞を受賞しました。

2.車体構造
 車体はアルミの大型押出型材で構成され、3扉車ながら側窓は大きな1段下降窓となり、扉間に2枚ずつ配置され、従来の2段窓の京阪電車のイメージから大きく変化しました。前面は半流線型非貫通で、傾斜したガラスが側面まで回り込んだ連続窓風になっていますが、向かって左半分は外開きの非常扉として構成されています。前照灯は角形になり行先表示装置と一体化され、窓ガラス内部に設置されています。車番が車掌側窓下に移り、運転士側窓下には「KEIHAN」の頭文字Kをデザインした「Kマーク」がとりつけられました。

3.車内設備
 座席はロングシートが採用されました。壁面化粧板がベージュ系の明るいものになり、シートの袖部はパイプ構成をやめて化粧板張りとし、吊手棒と結ぶようにスタンションポールが立てられています。ドアの開く時には女声で「右(左)側のドアが開きます。ご注意下さい。」という放送が入り、閉まるときは警報音が鳴るようになっおり、これには音声合成装置が採用されています。

4.主な機器類
 走り装置は1500V用として京阪で初めて8M1CのいわゆるMM’方式を採用、複巻電動機を使った界磁位相制御で回生ブレーキという得意業の制御装置です。台車は通勤車で初めてダイレクトマウント式空気バネで、M車は乾式円筒案内式および軸梁式、T車はSUミンデン式になりました。京阪の通勤車での住友台車は側梁緩衝ゴム式ばかりで、他私鉄で多数採用されたS形ミンデン台車はまったく使用されていません。SUミンデン台車は2600系でKS-63系の取り替え用に初採用されましたが、新車でミンデン台車が本格採用されたのは、1900系のFS-347以来ほぼ20年ぶりのことです。14番編成のVVVF制御は7000系の先行試作的なもので、界磁位相制御という独自路線を歩んできた京阪にも、これからの主流となる技術を導入することになりました。200kWという強力な主電動機を誇り、インバータの発する音を極力抑えるように工夫されています。このユニットは4M1Cでパンタも1基になり、補助電源にはSIVを使用、M車を分散した編成となっています。
 屋根上はクーラーを車体中央にまとめて配置し、キセを一体化したのでスッキリとしており、パンタは制御装置を持つM1車に2台搭載されています。

5.主な履歴
 1983年(昭和58年)3月に、複電圧仕様の4連×5本=20両が登場、中間Tなしの4M編成ながら各電動車の主電動機を2台ずつ開放し、実質2M2Tの性能で600V時代をしのぎました。
 1983年(昭和58年)12月の昇圧時から本来の性能に戻してT車を追加し7連化するという経過をたどりました。
 1986年(昭和61年)10月に2次車として、12番編成がMc-T-T-Mc の4連で登場、台車やクーラー・室内に若干の変更がなされています。
 1987年(昭和62年)4月には1〜3番のT3車が増備されて8連化され、1988年(昭和63年)には4次車として13番編成が7連で登場しています。
 1989年(平成元年)には5次車として12番を7連化するための中間車3両、6次車として14番の編成が7連で登場し、これの京都側ユニットには試作的にVVVF制御を搭載しています。その後は8連化のための中間車が増備され、最終的に全編成が8連で揃うことになりました。
 1993年(平成5年)に前述のVVVFインバーター試験車3両は7000系に編入され、不足分の3両は界磁位相制御方式で新造され組成変更されました。先頭形状は7000系と同じく傾斜の内タイプとなっています。
 2008年(平成20年)より、順次新塗装に変更され、2011年(平成23年)に終了しています。
 2013年(平成25年)より、リニューアル工事が行われました。主な改造内容は行き先表示器のフルカラーLED化、側面窓枠の黒色化、識別灯のLED化、補助電源装置のSIV化、13000系に準じた内装変更、扉間ロングシートを8人掛けから2-3-2の7人掛けに変更、車内照明のLED化、前照灯のLED化(一部別工事)等が行われております。

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