近鉄　80000系

80000系　特急「ひのとり」
奈良線　鶴橋　2023年2月17日撮影

80000系　特急「ひのとり」
大阪線　鶴橋　2023年2月17日撮影

１．概要
　21000系「アーバンライナーplus」、21020系「アーバンライナーnext」の後継車量として登場した特急車両です。
　愛称は「ひのとり」が与えられました。
　形式と編成は下記の通りです。
　←難波方
　ク80100形(Tc1)-モ80200形(M1)-サ80300形(T1)-サ80400形(M2)-モ80500形(M3)-ク80600形(Tc2)
　ク80100形(Tc1)-モ80200形(M1)-サ80300形(T1)-モ80700形(M4)-サ80800形(T2)-サ80400形(M2)-モ80500形(M3)-ク80600形(Tc2)
　モ80700形(M4)、サ80800形(T2)に検査時に分割できるように簡易運転台が設けられています。

２．車体構造
　車体は鋼製車体が採用され、車体長は、先頭車が21,600mm、中間車が20,500mmとなってます。
　先頭形状は、大型ガラスを2枚設けられています。先頭窓下に計40灯のLEDヘッドライトが設けられています。
　各車両の扉は、片側に幅900mmの片開き式引き戸が1箇所設けられてます。扉の位置は将来ホームドア設置した際に普通車と位置が合う様な位置になっています。
　ク80100形、ク80600形は先頭車でハイデッカー構造となっています。
　その他の車両は平床構造となっています。

３．車内設備
・プレミアムシート車両(ク80100形、ク80600形)
　座席は本革を使用したリクライニングシートで、電動リクライニング、レッグレスト、フッドレスト、シートヒーター、サービスコンセント、大型テーブル、カップホルダー、荷物フック、読書灯が設けられてます。リクライニング操作（レッグレスト、フッドレスト操作含む）はリモコンで行うことができます。
　座席配置は通路を挟んで2+1席のシート配列となってます。シートピッチは1,300mm確保されてます。
　カーテンは電動フリーストップ式ロールカーテンが採用されました。
　天井照明にはフルカラーLEDが採用されました。
・レギュラー車両(先頭車以外)
　座席は、バックシェル付リクライニングシートが２＋２列で配置されています。シートピッチは1,160mm確保されてます。高さ調整機能付きフッドレストが備えられています。
　サ80300形には車椅子スペースが設けられ、車椅子スペースの対面は1席のシートとなっています。
・ロッカー・荷物スペース
　モ80200形、モ80400形、モ80600形に無料の大型荷物用ロッカーが設けられています。1か所あたり6個設けられ、そのうち4個は交通系ICカードを鍵代わりに使用できます。
　サ80300形、サ80700形、サ80800形には大型の荷物スペースが設けられています。
・カフェスポット
　プレミアムシートのデッキ部分に設けられ引き立てのホットコーヒーのほか、紅茶、ココア、栄養補助食品、グッズ等が自動販売機で購入できます。
・自動販売機
　モ80400形に設置されています。
・ベンチスペース
　モ80200形、モ80500形、モ80700形のデッキ部分に設置されています。
・サンタリー設備
　ク80100形、ク80600形、サ80800形には男女共用、女性専用の温水洗浄便座付き洋式トイレ、男子小便器がそれぞれ設けられました。また、同じ車両に自動水栓、温風乾燥機付洗面所が設けられています。
　サ80300形には車椅子対応、オストメイト対応の多目的トイレが設けられています。また、男子小便器と洗面所が設けられています。
・喫煙室
　喫煙室はモ80400形に設けられました。
・その他設備
　無料Wi-Fiサービス、防犯カメラ(各室、デッキ、大型荷物置き場)、点字案内、AED設備(多目的トイレ脇)が設けられています。

４．機器類
　制御方式は、素子にハイブリットSiCを採用した電圧形PWM2レベルVVVFインバーター制御(MAP-234-15VD327：三菱電機製(下2桁01～、51～)・VFI-HD2420G：日立製作所(下2桁11～))が採用され、1台の制御装置で2台の主電動機を制御します。
　主電動機は、全閉自冷式240kWの3相かご形誘導電動機MB-5183-A(三菱電機製(下2桁01～、51～))、同じく230kWのHS34531-13RB(日立製作所(下2桁11～))が採用されました。
　ブレーキ装置は、回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(KEBS-21)が採用されました。
　駆動装置はWNドライブが採用されました。
　台車はヨーダンパ付きボルスタレス台車が採用され、型式は電動車がKD323形、附随車がKD323A形となってます。プレミアム車両はフルアクティブサスペンションが採用されました。

５．主な履歴
　2020年(令和2年)3月14日に名阪甲特急として営業運転が開始されました。
　2020年(令和2年)6月15日から阪奈特急にも導入されました。
　2020年(令和2年)10月1日にグッドデザイン賞を受賞しました。
　2021年(令和3年)2月13日より全ての名阪甲特急に投入されました。
　2021年(令和3年)5月26日にブルーリボン賞を受賞しました。

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