ANOTHER STORY of "Z"「機動戦士ZガンダムSILVER」  


「月の裏側」〜「新しい絆」

 

アーガマは月に向かっていた。
アレキサンドリアを振り切ったわけではないのだが、敵の戦力低下を判断したブレックスは、そのまま月に入ることを決定した。アーガマもこれ以上寄り道をするほど余裕がなかったということもある。
カミーユは取り立ててやることが無い場合、いつもMark-2をいじっていた。アーガマのクルーも、カミーユがMark-2の側にいれば、何も指示をしなかった。ことメカマン達は、整備もできるパイロットというものを重宝に思っていた。自分達のウェイトが減るというのもあったが、細かい調整にあれこれ言われる心配が無いからである。

「カミーユ...!」

コンソール周りのチェックを行っていたカミーユが、自分の名を呼ぶ声の方向を探すと、ふわり、とエマ=シーンが滑らかな動きでコックピットのハッチに取りついた。

「エマさん...あれ、もう自由に動いていいんですか?」

監視カメラがある場所であれば自由に行動しても構わない、といった処置でありながら、エマは絶えず誰かと行動を共にしていた。エマとしても疑われるような行動を避け、一刻でも早く、エゥーゴの空気に慣れたいと思っていたからだ。

「ええ。今朝保護観察が取れたわ。ようやくアーガマのクルーに認められたってことね」

そういうエマの表情には、すがすがしいものが見える。

「で、私に何かご用でも?」

「いいえ。特に用事は無いんだけど...」

カミーユは、エマがまた母の話を持ち出すのではないかと、ちょっと心配して、

「だったら、お尋ねしたいことがあるんです」

と、自分から話題を振った。

「何かしら?」

「Mark-2のフット・スロットルなんですけど、このレバーみたいなの、使い方判らなくて。エマさん、知ってます?」

「あら、それはね...加重のとき、無駄な踏み込みを分散させるの。調節が必要だわ」

そういうと、エマは急に身体をコックピットの中にもぐり込ませた。その動作があまりにも唐突だったので、カミーユは驚く。

「あ...ごめんなさい」

カミーユの表情を見たエマは、言った。

「なにかやらなくっちゃ、そんな風に気が焦ることもあるのよ」

「判ります...だって、このMark-2、エマさんが乗るべきじゃないんですか?」

カミーユは、エマがパイロットとしてMark-2を使いたいのだと思った。

「そんなことないわ。あなたの能力は、この艦の全員が認めていることよ」

「アムロ=レイの再来だ、なんておこがましいですよ」

「アムロ....。私、彼に遭ったことあるわ」

エマがぽつり、と言った言葉に、カミーユは驚く。

「本当なんですか?あの人、実在の人なんですか?」

「民間ではどういわれているか知らないけど...軍にはまだ所属しているはずよ」

「どんな人でした?」

「普通の人だったわ。遭ったときは判らなかったもの。あとで写真を見みつけて驚いたわ。だって、エースパイロットと言われる人には程遠い、おぼっちゃま育ちの青年、って感じだったから」

エマはまだ自分が学生だった頃のその出会いを思い出していた。遠い視線を浮かべるエマの隣で、カミーユがつぶやくように言った。

「私ね、子供の頃、オモチャのMSごっこで、いつもアムロだったんですよ」

「え?」

「男の子はみんなシャア...赤い彗星のシャアが好きだったんです。スペースノイドはみんなジオンが好きなんです。そんな中に女の私が混じると、アムロの役なんです」

「あらあら、失礼しちゃうわね。でもシャアは負けちゃうわ」

「ううん、シャアはみんなの中で負けないんです。死なないんですよ。でもアムロには勝てない。アムロは超能力を持っているから。だから、ズルイって言われちゃうんです」

「子供の考えることって判らないわね。でも確かにシャア=アズナブルは生きているという話もあるのよ」

「そんな...だったらジオンが弾圧されてるっていうのに、のんびり隠居してるわけないじゃないですか。彼が声をかければ、きっとティターンズに対抗する組織がもう一つ作れちゃいますよ?」

「そうね..何もしてないなんて、思いたくはないわね。ジオンの再興は望ましくはないけれど」

同じデッキの、リックディアスのコックピットから二人の会話をモニタリングしていたクワトロは、そこでパチリとカメラのスイッチを切った。
アーガマは既に月への軌道に入っていた。

 

月は、エゥーゴの活動の拠点である。しかし月と一言でいっても広い。月には3つの大きな都市がある--もとジオンの管轄下であったグラナダ、アンマン、そして、人類が宇宙に初めて都市を築いたフォン・ブラウンだ。その中でも一番エゥーゴの活動が活発なのはアンマンであった。
今回の寄港地は、そのアンマンの郊外、コロニーのスクラップのリサイクルを行う中小企業の密集した地域にある貨物用のドックである。このあたりの業者はほとんどがエゥーゴの賛同者であった。中小企業ほど連邦政府の搾取に不満を抱く存在はない。

「グラナダへ向かうと見せかけて、一気にアンマンへ入る。月面での行動は、クレーターを上手く使えよ」

ヘンケンは、手際よくブリッジのクルーに指示を出した。
月の重力圏に突入する手前である。

「MSです!アレキサンドリアから発進したものと思われます!数、3!」

トーレスが、困った顔でヘンケンの方を振り向いた。

「今、誰が出せる?」

「あ、MSデッキにはクワトロ大尉と...カミーユがいます」

「こちらの動きを調べに来たな。二人に、連中を引き離すように言え!」

「他は出さなくっていいのですか?」

「あくまで牽制が目的だ。アーガマが追尾されなければいい」

 

MSに搭乗したとたん、ジェリドは自分が思いのほか冷静であることに気がついた。ライラの部隊が残していったガルバルディβはハイザックよりも機動性がいいということを、操縦桿からダイレクトに伝わるのを感じとることができた。偵察が任務だとジャマイカンからは指示されたものの、ビームライフルを実戦に持ち出すのは始めてのことである。

(こいつでライラのカタキが討てるか?)

そういう気持ちも何処か他人事のように思えて、ジェリドはクスっと口元に笑みを浮かべた。

「どうだ、見えるか?」

自分の背後にハイザックに乗ったカクリコンがいる。ティターンズの士官になってからは彼はいつもジェリドと同じ隊に配属された。年は上だが面倒見がいい性格もあって、軍の中ではもっとも信頼できる同僚といえた。

「こっちのセンサーには引っかからないな。グラナダへ向かうのならもっと左じゃないか?」

ジェリドは左のセンサーを上げた。モニターの解像度は落ちるが、映像は拡大される。
と、クレーターの影から光るもの。

「どんぴしゃだ、Mark-2か?」

白いボディが月の砂地よりも明るく反射している。後方にもう一機。赤いリックディアスだ。

「あの向こうに、アーガマがいるってのかい!」

ジェリドは機体を旋回させた。Mark-2の機体がモニター上でくっきりと現われるに連れて、自分が高揚していくのが判る。

(いつまでも、負け続けるワケにはいかないんだよ!)

ジェリドは自分のMSの実地教習が、この月面であることを幸運に思った。1/6の重力にとまどうことはない。

「カミーユ、注意を引くだけでいい!無駄な戦闘は避けろ」

「はい!」

敵機を捉えながら、クワトロの指示を受けたカミーユは、月面の起伏の落とす強い影にMark-2を入れた。リックディアスはもう一方に分かれて、渓谷のような地形を進んでいる。

「ん、消えた?むこうも山影にはいったの?」

モニターを切り換えようとした瞬間、目の前にビームライフルが光った。回避をするが、その隙に赤い機体が姿を消した。

「どこ...?あうっ!」

いきなり、前方の起伏からガルバルディが姿を現し、機体をガシッとMark-2にぶつけた。

「お前が、ライラをやったんだな、カミーユ!」

「また、ジェリドなの!」

ライラ...あの女の人の名前だ、カミーユはガルバルディのアームを引き離そうとMark-2の速度を上げた。

(私が殺したって...そうだよ、私が殺される前に)

カミーユはライラ=ミラ=ライラの、クールな瞳を思い出した。キレイな人だった。そんな人を自分は殺した。

(けど、あんただって、父さんを殺したよ、だけど忘れてやったさ!)

「自分だけが、特別だなんて思わないでよ!」

「何ぃ!」

「そんなんで、あの人が生き返るの!喜ぶっていうの!」

「知ったような口を...!」

ジェリドがサーベルを取ろうと、ガルバルディの腕を緩めた。その隙にカミーユはパワーを振り絞って、ガルバルディを突き放す。

(あっ...落ちる?!)

バーニァの角度が地表を向いていなかった。Mark-2の機体が失速するような形で月面に激突しそうになる。そこにビームライフルの攻撃。地表すれすれで全開にした背中のバーニァが、Mark-2の身体をとりあえず立て直した。

「上下があるのか...あたりまえだけど」

着地したガルバルディが、地面を滑るように追ってくる。カミーユも地面を蹴るようにして飛びながらそのビームを回避する。

(上手く飛べない...重力に引っ張られてる!)

目の前に巨大なクレーターの作り出す岩壁が見えた。ジャンプにバーニァの推力を足して、その向こうに飛び込む。影の中で細かく移動しながら、ライフルを撃つ。ガルバルディもライフルを返しながら、闇に消えた。

(ああ、そうか)

着地のタイミングで脚部のバーニァを強めると、カミーユはガルバルディのやっている動きをまねてみた。土煙をあげて、機体が地表を滑る。バランサーは上手く働いてくれているようだ。追ってくるガルバルディの方へ向き直り、光のある方へ誘い出る。同じ動きで、ジェリドが追尾する。

「こう?」

ライフルの軌跡を、スライドでかわすと、カミーユはクレーターの外へ飛び出した。

「月面での戦闘をこうもこなす?あいつ、何だ、何なんだ!!」

ジェリドはカミーユの順応性にゾッとした。特別...ライラのいうNTと言う言葉が頭をよぎる。そんなもの、あるはずが無い。短期間で特殊な教育を受けただけだ、そうジェリドは思い直す。

「俺だってなぁ、ティターンズなんだよ!」

ジェリドの気迫が、カミーユを捉えた。軽い衝撃を感じて、瞳を向けた先に、ライラ=ミラ=ライラのノーマルスーツが浮かんだ、気がした。

「ああっ!」

それがガルバルディの機体の色だと判ったとき、無意識に振り上げたライフルをジェリドのビームサーベルが切断した。慌てて暴発を避けようとしてバランスを崩す。ジェリドのサーベルは同時にMark-2の膝関節を破壊していた。制御に手間取る。2機の間でライフルが爆発した。カミーユはサーベルを抜くが、ジェリドのサーベルは既に振り降ろされている。
バシィィ!という、衝撃音。
アラームが、右足の破損を告げている。バランサーが異常をきたす。

「あんたに、負けるの?!」

カミーユは、全身に走る微かな恐怖を感じた。ぶざまな態勢でMark-2を飛翔させたが、ライフルを失ったカミーユは、逃げるしかなかった。ビーム光が追ってくる。

「もう一機?」

モニターが新たな機影を捉えていた。しかし映像が鮮明になるに連れて、カミーユは安堵の表情を浮かべた。クワトロ=バジーナの真紅のリックディアス!
ビームピストルが、ガルバルディβの腕をビームライフルごと吹き飛ばした。

「援軍?カクリコンは?!」

ジェリドは自分がMark-2を追い込みすぎて、戦列から大きく外れていることを知った。センサーの範囲に、ハイザックは確認できない。

「ちっくしょう!俺は戦友のカタキも討てないのか!」

ミサイルの残弾はあったが、それだけではリックディアスを落とせないことを悟ったジェリドは、機体を後退させた。相打ちしてまでカタキを取ることを、ライラは望んでいないように思えたからだ。

「カミーユ、大丈夫か?」

「ライフルと、足をやられました...」

「敵のペースに乗せられすぎだ。命が幾つあっても足りんぞ」

「はい...」

カミーユは答えながら、自分が月面の戦闘を少し楽しんでいたことに気付き、ゾッとした。

 

アーガマを見失ったアレキサンドリアの艦隊は月の連邦軍のメインポート、グラナダへと入港した。グリプス出航以来補給を受けていないアレキサンドリアは、その保有するMSも残り少なかった。負け続けている戦いでは、消費する物資も少なくはない。

「なんだ、この量は?これしか補給ができんというのか!」

ジャマイカンは表示されたリストを見ながら怒鳴った。モニターの向こうで、女性士官が困った顔をする。

「そう言われましても、最近、月に入るはずの資材が滞っているのが現状です。本部は月を軽視しているんじゃないでしょうか」

「愚痴などききたくないわ」

「ジャマイカン少佐からも進言してください。ルナ2方面に回す半分でいいからこっちに下さいって...」

女性士官の嫌味を聞き終わる前に、ジャマイカンは通信を切断した。

(ふん、エゥーゴに感化された連中が!ブレックスを葬ったら、まとめて強制労働に送ってやる)

「食料だけは、要求通りですがね」

ガディ=キンゼーの言葉に、ジャマイカンはさらに不快感を強くした。

 

ジェリドはグラナダに入港してからも、アレキサンドリアから降りることは許されなかった。アーガマを見失ったことは出撃したメンバー全ての責任ではある。しかしMark-2を深追いしたことをライラの復讐戦の意図有りとジャマイカンに判断され、彼のみが命令違反による謹慎処分を言い渡されたのだ。
そのジェリドの部屋に、カクリコンが不意に訪れた。

「ジェリド、面白い情報をキャッチしたぞ。アンマンの方に、MSのパーツ関係が大量に運び込まれているらしい。ひょっとするとそこいら辺にアーガマが潜んでるんじゃないのか」

カクリコンは顔の広い男だ。自分のコネクションを利用して、ジャマイカンですら手古摺っていた物資の調達を各方面に手配していた。情報もそのルートから仕入れたものらしい。

「ジャマイカンには報告したのかよ?」

「これからだ」

「ああ、そうかい」

自室を出ることすら許されないジェリドは、あまり気のない応対しか出来ない。友人の処遇を心配するカクリコンは、肩をすくめた。

「情報に裏が取れたら、お前の協力をジャマイカンに進言するつもりだが...イヤならいいんだぜ?」

「気を使ってくれるな...」

ジェリドは胸の中で、カクリコンに礼を言った。

 

 

クワトロ=バジーナは、アンマン市内にプライベートな部屋を所有していた。クルー全員が上陸の許可を得ることが出来たわけではないが、彼は誰にとがめられることも無く、アーガマを降りるとこの部屋に向かった。半年ぶりに戻った部屋にはうっすらとホコリが積んでいる。機密の悪い安部屋だが、クワトロはここに戻ると少し安堵する。他人を演じる必要が無いからだ。
コートを脱ぎかけて、来客を示すコールが鳴った。早すぎるな、とドアの向こうに立っているはずのキグナンの無粋を恨んだ。

「シャア大佐、お帰りなさいませ!お久しぶりでございます!」

キグナンのはじけるような声が、クワトロにはこそばゆい。

「ずいぶん早いが...何かあったか?」

「これをご覧下さい」

キグナンはカバンから、ノートを引っ張り出した。スリープから立ち上がった画面には監視衛星の捉えたCG写真が表示された。

「アクシズが移動しているようです。スペクトル分析でも核パルスエンジンだと判明しております」

「アクシズごと?それは大仰だな。ハマーン=カーンの考えそうなことだ」

(もう、彼女も20歳か。耐えきれんのだな)

クワトロは、まだあどけなさが残る、自分の中のハマーンを回想した。

「それから、もう一つ。グリプスの動きが顕著です。隣のグリプス2で、良からぬ動きがあります」

「グリーン・ノア2か。あれは開閉型ではなかったな?」

「おそらくはコロニーレーザー...」

「バスクめ、そんなものを何処に撃つつもりだ...」

宇宙空間でその威力を発揮するコロニーレーザーである。スペースノイドの威嚇用には十分すぎるシロモノだ。
ピピピ、とクワトロの思考を中断させるかのように、メール受信のコールが鳴った。立ち上がってモニタを確認すると、通常メールにカムフラージュされた召集メッセージだった。

「『…通りのマクダニエルでお待ちしています。W.L』...まるでデートだな」

クワトロはメッセージの内容を読み上げて、笑った。

 

ファーストフードの店、マクダニエルは、立地条件のせいか、客足がまばらだった。クワトロは自分の恰好がこういう若者の店には似合わぬのではないか、と思いながら店の奥に入っていく。小さなドアの手前に、店員に扮装したヘンケンが立っていた。

「この奥だ」

そう言ってドアを開けると、クワトロを押し込むようにして、自分もその後についた。
狭い室内のテーブルを取り巻くように数人のスーツ姿の男達が、彼を迎えた。いずれもエゥーゴを金銭面、物資面でバックアップするスポンサー達である。
その中に、見慣れぬ軍服姿の男がいて、クワトロは眉をひそめた。彼の表情に気付いたその男は、席を立ち、クワトロに握手を求めた。

「クワトロ=バジーナ大尉、ご活躍は聞いております。私はラルク=ベリテと申します。ルナ2からアンマンに配属されたのをきっかけに、エゥーゴに参加することを決意いたしました」

「これはこれは、ラルク...」

「少佐じゃよ」

スポンサーの中で一番年かさの、ダナン=ロウが言った。アンマンの大手再生業者だ。

「ラルク少佐、よろしくお願いいたします」

クワトロはラルクと名乗る、自分より少し年かさの精かんな顔立ちをした男をもう一度観察した。この席で紹介されるとなれば、既にスポンサー達の身上調査済みであろう。堂々とした体格が、精力を感じさせる偉丈夫だ。

「彼にはこのアンマンを中心に活動してもらう。一年戦争では星一号作戦でサラミス級の艦長を務めた猛者だ」

クワトロは苦笑いをせずにいられない。しかしそれはサングラスの下で、意味を隠した。

「さて、クワトロ大尉、君はジャブロー侵攻に反対だと聞いた。その意見を聞きたい」

ウォン=リーという、アナハイム=エレクトロニクスの名代が口を開いた。高音で耳障りな声はそのまま性格を表しているようだ。

「私の情報網では、グリプス2の動きが顕著だという報告がありました。ジャブローより先に手を打つべきではないかと」

「しかし、そのグリプスですら、地球からの補給物資で活動しておる。ジャブローを叩けば、グリプスの活動もおさまるだろう?」

「アーガマではレコア少尉を調査のため地球に降下させましたが、その報告がまだ行われていないのです。その情報を待ってからでも良いのではないでしょうか」

「その連絡が来るという保証はあるのかね?レコア少尉が敵に捕まった、もしくは...」

「ウォンさん、やめときなされ」

ダナンが、ウォンの言葉の先を制した。

「う、まあ、しかしな、我々がこうやっている間にも、連中は着々と態勢を整えつつある。様子をうかがっている時間はないのではないかね?」

ウォンはディスプレィにジャブローから打ち上げられる資材シャトルの運行リストを表示した。グリプスに向かうシャトルの数は尋常ではない。

「地球の連邦の本拠地であるジャブローを制圧すれば、民意はエゥーゴに傾く。スペースノイドにとって、ジャブローは搾取と弾圧の象徴だ。違うかね、クワトロ大尉」

(地球での破壊活動は汚染を広げるだけだということを....)

クワトロは、あえて自分の本意を語ることはしなかった。地球は自分のものではない。
それにウォンの決定は自分の言葉では覆りそうになかった。

「地球に降下した後、我々はまた宇宙に戻ってこれるのですか?」

「地上の支援部隊、カラバにはその手配を行ってもらう」

「MSも?」

「そこまでのシャトルは調達できるかわからんが、ダメならカラバに使ってもらうといい」

パイロットの気質を知らないものはこれだから、とクワトロは肩をすくめた。

「では、必要装備の調達リストをブレックス宛に送っておく。決行日時の決定はそちらで行ってくれたまえ」

ウォンは手もとのハードコピィを揃えると、強引に話をまとめた。それを聞いて、ダナンが嗄れた声を出す。

「ウォンさんは、ジャブロー制圧後、地球にはまいられるのかの?」

「私が降りる必要は無い。それに少々月暮らしが長くなってしまったのでな」

「ああ、そうですな。わしのように月育ちの年寄りは、地球の重力はこたえます」

「ああいうところにしがみついている連中の気がしれませんな」

既に男たちが世間話に入り込んでいるのを聞き流しながら、クワトロは一礼をして席を立った。

 

 

月に入ってから、緊張の糸が切れた、というイメージをカミーユはぬぐえない。敵艦から常に追尾されている状態から、月面都市のドック内という、少なくとも地面に足のついている場所に、既に2週間もいるのである。ティターンズの動きも静かだった。
カミーユは、訓練という名のシミュレーション映像を使ったトレーニングメニューを幾つかこなすことと、運ばれてくる資材の搬入の手伝いを定時に行えば、後は自由な時間として艦内で過ごすことを許されていた。彼女の今の一番の関心はスクラップ置き場から拾ってきたハロである。戦後、一時的にブレイクしたそのオモチャは、あのアムロ=レイが版権を持っているというウワサで、彼女も親にねだった覚えがあった。当時買っては貰えなかった反動もあるのだろう、カミーユはその修理に熱中していた。
そんなとき、召集のブザーが鳴ったのを、聞えていなかったというのはウソであるが、その緊張感のない音は、意識の外である。

「カミーユ?まだここにいるの?召集のコールを聞かなかったの?」

エマの肉声がドアの外に聞こえて、やっとハロから視線を外した。

「あ、はーい。今行きます。エマさん、先に行っててください」

「何言ってるの!召集はもう10分も前よ。あなたを呼びに来たのよ!」

なんで、わざわざ...そうカミーユは思った。自分にはミーティングで説明される作戦の大義や、背後関係など興味がなかった。後半に示される自分への指示だけ聞けばよい、そのくらいにしか思っていない。どうせ子供である自分の意見を挟む余地などないのだから。
修理途中のハロをしまい、エゥーゴの制服に着替えたカミーユは、髪を指で梳しながら、ミーティングルームへと向かった。エマの姿はもう無い。
ドアの前に、スーツ姿の男が立っている。自分をにらんでいるのに気がついたカミーユは、頭を低くして、その脇を通りすぎようとした。

「待て」

男がカミーユの肩口を掴んだ。彼女は気配で、男が自分の頬に平手を撃とうとしていることを知り、それを避けた...つもりで右から来る拳を、まともに受けた。

「な、なにするんですかっ!いきなり..」

痛みと、プライドで、じわりと涙が浮かんでくるのを、カミーユは必死でこらえる。

「お前は、何様のつもりだ?」

「お、遅れたからって、急に殴らなくてもいいじゃないですか!」

「私だって好きで女の顔を殴ろうとは思わん!お前がそれに値する行為をするからだ」

「自分の話を聞いてくれない会議に参加したって、面白くないんですもん!」

「面白くない、だと?ここは軍隊だ!面白いことがあるか!」

男-ウォンはもう一度拳を振った。今度はかわしてみせる、とカミーユはすかさず身体を移動させたが、そのわき腹に、蹴りが入った。

(中国拳法..?強いっ!)

そう思いながら、カミーユは床に倒れ込んだ。反撃のタイミングを探すが、ウォンにその隙はない。

「軍隊だって、私は軍人になった覚えはないよっ!」

「今、お前は誰に食わせてもらってる!何処に生かせてもらってる!パイロットだなんだと増長しおって、人が守る最低限の事もできんで、何がパイロットだ!」

「好きでなったんじゃないよ!」

「つべこべ言うな、なぜごめんなさいと謝ることができん!」

ウォンが倒れているカミーユの身体を、もう一度蹴った。腕でガードはしているが、屈辱は免れない。ウォンの後に、クワトロとエマの姿が見えた。カミーユはこの恥ずかしい姿を二人に見られたくなかった。

「ごめんなさい、ごめんなさい!もう遅れませんから!ごめんなさい!」

「そういう態度で、この先、生きていけると思うのか!女だからと甘やかされおって!」

ウォンは蹴りを止めなかった。カミーユは身体を丸めて、悔し涙を止めることが出来なかった。

 

 

エゥーゴのスポンサーで一番大手なのは、アナハイム・エレクトロニクスである。MS製造の大手であるこの会社をバックに付けることで、修理パーツなどの資材は裏ルートだが入手は容易い。しかし戦艦そのものとなれば別である。モンブランを失ったエゥーゴは、活動の幅を狭めていた。ジャブロー攻略においても地球の上空までMSを運ぶために、どうしても艦隊を増強する必要があったが、いくら月がエゥーゴの賛同者が多いとはいえ、連邦軍に所属する戦艦を、そのまま使用することは不可能であった。中立の立場の者も多いのである。ブレックスは悪役になることを覚悟の上で、グラナダに駐留するティターンズ寄りの主義を持つ艦隊を襲撃、それを奪還する作戦を実行することを決意した。
油断し切っている艦隊は、MSだけで制圧することができる。アーガマを動かすことは目立ちすぎるのだが、MS部隊なら察知されにくいという判断もある。

 

パイロットにスタンバイのサインが出されている。しかしカミーユはまだ自分の部屋に篭もったままだった。

「カミーユ、作戦の指示はきているんでしょう?どうしてまだそこにいるの!」

モニターからエマの声が聞こえてくる。カミーユはブランケットを被ったまま、答えた。

「私、もういいです!軍人になんかならない!」

「なに、子供のようなこと言ってるの?あなたはパイロットなのよ」

「じゃあ、パイロットもいいです!私、もうアーガマから降ります!」

「カミーユ...今からそっちへ行くわ」

エマはカミーユの部屋のドアを開けた。ロックが掛かっていないことに、まだ脈があるか、と感じる。

「ウォンさんのことを怒っているの?」

エマはベットの中で丸くなるカミーユの脇に腰を下ろした。

「...。」

ブランケットにくるまったカミーユの身体は、小さく、頼りない。

「みっともないわ。MSに乗ってるあなたとは思えない」

「私は私です...」

背中を向けたまま、カミーユはくぐもった声を出した。

「....。作戦の内容が気に入らないんです...。敵の戦艦を奪うって、なんだか情けないですよ」

「戦力も、資金も限りがあるのよ。私たち、手ぶらじゃ何も出来ないわ」

「エマさんは、ティターンズのやり方が気に入らなくって、エゥーゴに来たんでしょ?私は今度のエゥーゴの作戦が気に入らないんですよ!」

「カミーユ...。屁理屈よ、それは。主義主張を通したいのなら、まず自分をしっかりなさい!」

「そんなに立派な主義、私には無いですよ!だったら、エマさんが行けばいい!」

エマは立ち上がると、言った。

「そうするわ。あなたは殺される前に、ここから去りなさい!」

カミーユはエマの言葉には答えず、ブランケットを深く被りなおした。

 

先発してアーガマを発進し、グラナダに進行するリックディアスのクワトロは、後方に撒き起こる砂塵をキャッチした。

(カミーユか?)

モニターに拡大される砂煙の中にMark-2を見たクワトロは回線を開く。

「エマ中尉か...」

「私じゃいけませんか?」

彼女の言葉が物語っているものを、クワトロは即座に理解した。

「いや」

クワトロは、これから起こす作戦の内容を反芻しながら、スロットルレバーを握り直した。
しかし、その動きをキャッチしている者がいるということを、彼らは気付いてはいなかった。カクリコン=カクーラーは彼の情報網で、エゥーゴが何らかの行動を起こすことを察知していた。具体的な作戦内容までは知ることが出来なかったが、アーガマから発進したMS部隊がグラナダに向かっていることを突き止めると、ジャマイカンに出撃要請を行った。ジャマイカンは新型のマラサイをアナハイムから受領したばかりだったので、既に旧型となったハイザックの使用なら許可する、とカクリコンの出撃を了解した。

 

「あ...」

ブランケットの中で、カミーユは自分の胸に、ざらりとした感触を感じた。すうっと落ちもしない汗が、体内を流れる感じ。

(なに...?)

カミーユはベットから起き上がった。ウォンに蹴られたわき腹が、ミシっと痛んだ。涙と打撲で、顔が醜く腫れ上がっている。この顔をエマに見せることが出来ず、カミーユはベットから出ることが出来なかったのだが、今の彼女はそれを忘れるくらいの不安を感じていた。

「誰?」

カミーユは部屋を飛び出すと、アーガマのブリッジを目指した。

「どうしたの、もうとっくに作戦は....」

ブリッジにいたサエグサとトーレスは、かけ込んできたカミーユの顔を見て絶句した。

「違うんです、MSが来ます、敵です!」

「おいおい、いくらM粒子が薄くったって、まだ何にも捉えちゃいないぜ?」

「ヘンケン艦長は、ブレックス准将はどこなんです?!」

わき腹を押さえながら、叫び声をあげるカミーユの行動を尋常じゃないと思いながらも、二人はどう対処していいのかわからない。

「アンマンで、グラナダの様子を見守ってるはずだけど...なんでMSが来るなんて判るんだ?」

「知りません...でも...」

その時、シーサーが叫んだ。

「MSらしき機影、3機!こちらに接近してきます!」

「何だって?本当なのか?」

驚いたサエグサが叫びながら振り向いたとき、そこにはもうカミーユの姿はなかった。
MSデッキを目指すカミーユは、走る度に痛む身体を呪った。無重力ならリフトバーが使えるが、1/6とはいえ、月の重力下では自分の足で走るしかなかった。
がらんとしたMSデッキにたどり着いたカミーユは、そこにMSが1機も残されていないことに愕然とした。自分が出きること...それはMSに乗ることだけだ。ふと、ドックの脇の倉庫にGMカスタムがあることを思い出す。アンマンでスクラップを修理した、訓練機でしかない。

「エマさん...Mark-2を返して...」

GMに駆け寄りながら、カミーユは祈るようにつぶやいた。

「ジェリドが来るんだよ...!」

 

カクリコンはスクラップにカムフラージュされたドックの映像を拡大した。特長のあるアーガマのカタパルトが、ノイズが多いながらもはっきりと判る。

「母艦を失えばMSなんて人形なんだ」

瓦礫に身を隠すようにしてハイザックを着地させると、後方の2機を確認する。

「留守を襲われるなんて、思い付きもしなかったらしいな」

(あいつはいないのか...)

ジェリドはまだライラにこだわっている自分に気付いて、苦笑した。カクリコンの進言で、少しでも汚名を返上するチャンスを得たことを、軍人として喜ばなくてはならないんだな、とモニターに捉えたアーガマをもう一度見やった。

 

「エマさん、Mark-2を返して」

「まだそんなことを言ってるの、カミーユ」

そう口にして、エマはハッと息を飲んだ。

(私、何を聞いたの?)

エマはあたりを見回した。ドック内の敵兵はすでに鎮圧されて、自分達の銃口の前に怯えている。撃たれた兵士の血が床を汚しているのを見て、確かにカミーユはこの作戦に参加しなくて良かったのかもしれない、と思っていた矢先だった。

(ジェリドが来る!)

クワトロも、そのカミーユの叫びを聞いた。

(言葉?カミーユ?)

自分の前方できょろきょろと辺りを見回すエマに、クワトロは気付いた。

「エマ中尉、どうした?」

「え、ええ...空耳だと思うのですが...」

「聞いたのか、中尉も」

「大尉も?どういうこと...」

クワトロは、叫んだ。

「アポリー、ロベルト、ここは任せる!私とエマ中尉はアーガマに戻る!」

「了解..って、何があったんです?」

「話は後だ!頼むぞ」

そういうと、エマを連れて後方のリックディアスの方へと走っていった。

「どういうことなんです、これって...」

モニターに映ったエマが、不本意な表情でクワトロに尋ねる。

「今は知らなくてもいいことだ」

「大尉は、何を知っているんです!」

「すべて知っていれば、苦労はせん!」

 

カミーユは既にGMカスタムを発進させていた。

「すまん、カミーユ、メインエンジンの起動まで持たせてくれればいい!」

トーレスの叫びが、全天周モニターを持たないGMカスタムのコックピットに響く。4点式シートベルトに固定され、狭苦しい雰囲気を感じながら、カミーユはハイ、と息を吐くような返事をした。
バーニァをふかしながら、廃棄物の山に身を隠す。既にMS3機は射程距離に入っているはずである。

「GMか、へへっ、楽勝!」

マサダがハイザックのマシンガンを撃った。カミーユはすかさず瓦礫の影に後退する。ガラガラと、廃棄物が足元に崩れた。左のモニターが、もう一機のハイザックを捉えた。アーガマの方向に向かっている。

「そっちへ行くな!」

自分の居場所を曝すことを覚悟しながら、GMはビームライフルを撃つ。回避するまでもなく外れたその輝きの発射先を捕捉して、ジェリドは毒づいた。

「お前から、やってやるぜ!」

集中砲火を浴びる気配を感じて、カミーユはGMを飛翔させた。が、重力と、パワー不足が、彼女の思った方向に機体を移動させてくれなかった。タタタタッと、マシンガンが地を這うように追ってくる。ライフルを撃ちながら瓦礫の山に転がり込むGMの動きが妙に人間臭いような気がして、マサダは残忍な衝動を感じた。

「チョロチョロしやがって!」

じわり、とマサダは瓦礫の反対側からGMの背後に回り込むようにハイザックを移動させた。コロニーのミラーの破片の影から、ハイザックのメインカメラを覗かせたときである。その頭部を至近距離からビームライフルが貫いた。モニタの画面がザザッと歪んだのは一瞬のことであるが、次に画像が戻ったときには、マサダのハイザックは両足を失っていた。背面バーニァを吹かしその場を離れようとするハイザックの、重力に引かれて跳ねるような動きが、瀕死の魚のようにカミーユには見えた。

「そこか!」

カクリコンはビームサーベルの輝きを見逃さなかった。マシンガンの破線が、GMの肩を舐め、その腕をビームサーベルごと切り取った。
悲鳴を上げるヒマもない。カミーユの目の前のミラーの奥に、もう一機のハイザックが映っている。ジェリド。しかし彼の気迫はいつものパワーを持っていない。それは救いだとカミーユは思う。シールドをかまえると、ミラーを蹴り、バーニァの補助を使って、アーガマと反対方向を意識しながら次の瓦礫の奥に飛び込む。2方向からのマシンガンが、シールドに当たり、ボディをかすめた。

(バカだ。)

カミーユは慣れない5面モニターへの注意を緩めることなく、ビームライフルのエネルギーを確認した。

(エマさんは殺される前にアーガマを降りろって言ったじゃない)

2機のハイザックは気配を消した。アーガマの方へ行ったのではないかと、不安がよぎり、傍らにあった鉄塊を左にほおり投げる。とたんにそれをマシンガンが鉄屑に変えた。

(パイロット止めるっていったじゃない!)

カミーユは再び機体を上昇させながら、ビームライフルをマシンガンの発射方向にめがけて放った。ハイザックの機影がちらと廃棄物の向こうに見えたが、当たった様子はない。

「あっ!」

着地の瞬間、足もとの瓦礫が崩れた。アポジモーターの少なさに慣れないカミーユは、GMのバランスを大きく崩した。

「手古摺らせやがって!」

正面にマシンガンを構えたジェリドのハイザックが、モニターに大写しになった。銃口から放たれる60mmの弾丸が、メインカメラを破壊する。その弾丸はなぞるようにして、まっすぐコックピットまで降りてくるはずであった。カミーユはそれを覚悟した。
ドグッ!!
サブカメラの映像が、頭部を破壊され吹き飛ぶハイザックの姿を映した。メインモニタの上の小さなスクリーンに、エマとクワトロの顔が交互に映る。

「カミーユ、下がれ!」

クワトロの声がこれほど頼もしく感じたことはなかった。

「Mark-2!きやがったか!」

頭部を失いながら、ジェリドは再びマシンガンを構えたが、カクリコンの声が、それを遮った。

「作戦は失敗だ!マサダは回収した!」

「しかし...!」

「今の隊長は俺だ!生きていれば、次がある」

ジェリドは舌打ちしながら、機体を後退させた。

 

「グラナダから...ずいぶん速かったんですね...」

ハッチのオートマチック機構を破壊されたGMのコックピットから救出されたカミーユは、開口一番そう言った。引きずり出されるようにして姿を現す彼女を見て、エマがピシャリと頬を打った。

「エマさん...」

「カミーユ、あなた、なんて恰好でMSに乗ってるの!」

カミーユはノーマルスーツを着てはいなかった。もう一瞬、タイミングが遅ければ、ハイザックのマシンガンはコックピットの空気を奪い去っていただろう。もちろん、もっと遅ければGMそのものを破壊していただろうが。

「時間がなくて...」

「パイロットの自覚が足りないのではなくて!」

そういうエマの瞳が潤んでいるのを、カミーユはぼんやりと見つめていた。緊張で忘れていた体の痛みが、じんわりと伝わってくる。カミーユは考えるのが面倒臭くなって、もうどうでもいいや、と思った。

 


メモ:

●ZG時代の、シャアという人間の認識って、どういうものなんでしょう?敗戦国の名将というくらいで、本家キャラ達の言う思想まではどうあがいても伝わっていない気がするのだけど...。ということで、冒頭のエマとカミーユの会話を変更。
●オリジナルキャラ、ラルク=ベリテ登場。後々出番があるので、忘れないように(爆)
●ウォンの修正、どうしようかなぁと思ったけど結局ボコボコに。女の子なのに、と思うけど、ウォンさん、そういうとこに遠慮しない人じゃないかと...。
●GM2はROUさんのご指摘によりGMカスタムに変更しました。旧式コックピットに愛着のある私...。ラルク=ベリテも少佐に格上げです。


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