沖縄の旅の日記 〜第2回〜
by chinatsu


一日目のつづき。辺戸岬で景色を眺めたり写真を撮ったりしていたら、大石夫妻が遠くの山の茂みのなかに、巨大なヤンバルクイナがしゃがんでいるのを発見。巨大なといっても辺戸岬からは小さくしか見えないんだけど、どう考えてもあの縮尺なら近くまで行けば相当デカイはずというのは明らかだった。アイスクリームを食べ終わった私たちはさっそくクルマでそのヤンバルクイナを目指した。近くで見るとヤンバルクイナは児童公園のパンダみたいなプラスティック製だった。観光客はさすがに誰もいなかったけど、私たちが大騒ぎしていると一組のカップルが後からやってきて失笑しつつ記念撮影をしていた。ヤンバルクイナのなかには階段があって上っていくと、ちょうどおなかのところに四角く切り取られただけの窓のようなものがあって、そこから顔を出したりして写真を撮った。「ヤンバルクイナ展望台」の後は「タナガーグムイ植物群落」というところへ車で移動。植物群落と言ったって、この本島北部は海と道路と植物群落しかないんだから、何が特別なんだかよく分からなかったけど、とりあえず案内の看板があって、森のなかへと急な斜面に沿ってロープが下がっているから反射的に伝って降りる。結構急で、いろんな意味で興奮状態な肉体的には辛くて、降りるのに必死になっていると不意に視界が開けて、大きな池と堂々とした滝が現れた。雨が降った後だからなのか水は濁ってたけど、なんかわざわざあんなロープ伝ってまでしなきゃ来れないというところが、神聖な感じだった。苦労して再び急な斜面をロープ伝いによじ登り、今度は島の東側をひたすら南下。このころになるともう日が暮れかけていて、そーいえば夕方に島の西側を通って帰るような周り方にどうしてしなかったんだろうと、初めのうちは悔しがってたけど、やっぱり夕日は東側でも美しく、深いヤンバルの森の山に沈んでいくのを眺めました。
お待ちかねディナーは、なんとタコライス発祥の店が金武(「きん」と読む)という本島中部の小さな町にあることを発見!さっそく車を飛ばしたんだけど、なかなか店が見つからなくってかなり迷った。(というか私が地図の見方を間違えてたの)そのときふと紛れ込んだ路地裏の雰囲気は筆舌に尽くしがたい。民家のお勝手口とか、本州にはない南国的な石造りの背の低い塀越しにかいま見えた家の中。この町はとにかくインパクトのある町だった。沖縄で見たどの町よりも。実はシュガプラ夫妻はこの沖縄旅行の予習として、「沖縄やくざ戦争」という東映映画を見てから来たんだけど(!!!)、それに出てくる70年代のコザ(現、沖縄市)の町の印象が強烈で強烈で、もう私たちはひたすらその幻影をこの旅に求めてたんだけど、それがすべて金武にはありました。米軍基地キャンプハンセンを中心に栄えたこの町は、70年代のアメリカそのままな感じと日本の地方都市というか田舎の土臭い感じが溶け合って、スゴイ雰囲気になっている。夜だったし、外人しか歩いてないし、ネオンはギラギラだし、あやしげなスナックやクラブ(東京にあるようなのではなく、"場末の"といった形容詞がつく類の店構えなんだけど、なぜかイケイケなダンスミュージックがかかっている)満載でなんだかもう怖くさえありました。とにかく店構えとか通りの感じはもろアメリカなんだよね。そんななか目当ての店「King Tacos」をやっと見つけさっそく元祖タコライス($払いOK!)をいただいた。なんかベタな味としか形容できないんだけど、とにかくオリオンビールと蒸し暑い店内との相性も最高でおいしかった〜。店の雰囲気もすごくって、私とふみえちゃんがトイレを借りに行った「King Tacos 2号店」では、おばさんたちが沖縄民謡聞きながらなにやら手作業をしていた。写真はその光景です。
夜は恩納村(おんなそん)にある「サンセットヒル」というコンドミニアムに予約がしてあった。BBQができるほどの広いバルコニーから海の見える、天井の高いステキな部屋でした。