沖縄の旅の日記 〜第3回〜
by chinatsu

2日目。前の晩にあれこれ4人で検討・話し合いをした結果、近くて交通の便もよくて比較的海が綺麗だという渡嘉敷島(とかしき)に行くことになった。クルマで那覇泊港へ。朝から日差しが刺すようで、クルマのガラス越しでも暑い。「とまりん」という駅ビルならぬ"港ビル"の中で、チケットを買ってからメキシカンのファーストフードの店(名前は聞いたこともなく忘れてしまった)でブリトーとコーラの朝食をとった。4月だというのに冷房がきいてるところがまたおきなわっぽい。フェリーでは客室の上の方の屋根のない熱い床を占領して、ひたすら海を眺めたりおしゃべりしたりしてたら、1時間ちょっとで渡嘉敷島の港に着いた。小さな港で、民宿のミニバスと陽に焼けた地元の人たちがひしめき合って、到着した観光客たちを出迎えてる図が、どっか外国の南の島の風景みたいだなと思った。10人乗りくらいの小さなバスに乗り換えて、港とは反対側の安波連(あはれん)ビーチへ山越え谷越え20分くらい乗った。安波連ビーチはホントにすばらしかった!真っ白い砂と碧い海、としか言いようがないのがもどかしい。人も少なくて、私の覚えてる限りでは右の向こうの方でおじさんたちがビールを飲んだりしてこうら干しをしてたのと、左の方で真っ黒に日に焼けた子供連れの家族がいたくらいだったんじゃないかな。あと、木で組んだやぐらの上でライフセイバーが退屈そーにはじめ本を読んでたけど、途中からいつのまにかいなくなってた。ビーチで私は無性に何かフルーツが食べたくなって、海の家のならぶ道をうろついたんだけど、 ひっそりしてて店も開いてるのか閉まってるのかよくわからないしでうろうろしてたら、どこからかおじさんがでてきて何探してるの?ときいてきて、この辺でなにか果物売ってないですかねときいたら、うーん、ないねー、と言いつつ、でも聞いてみてあげようといって、おじさんと奥の民家の方へ入ってった。おじさんが話をつけてくれて、おばさんが冷蔵庫から冷えたオレンジを出してきてくれた。今日はこの島に泊まるのかと聞かれ、いいえと言ったら次来るときは泊まってねと名刺を4人分くれた。オレンジを買ってビーチに戻ると、残りの3人が地元の人らしきおにーさんと話していた。が、よくよく聞くと出身は渡嘉敷ではないとのことだった。オガワ君がボクシングのトカちゃんは渡嘉敷島の出身なのかと聞いたら、そうではなくて石垣島なのだとか話していた。そもそもはマリンスポーツかなんかの勧誘だったみたいだけど。そのお兄さんによると、この日はちょうどここの海開きの前の日で、海開き後だとものすごい人でここもごった返すので、今日来た私たちはかなりラッキーなのだそうでした。(どうりで海の家もひっそりとしてたわけだ)そんなこんなでビーチでただもうリラックス&エキサイトしていたらあっというまに帰りのバスの時間になってしまった。行きと同じ帰りのバスの運転手さんが、どこか眺めのいいところを回って帰りますと車中の客たちに宣言して走ってたら、突然バスが止まって、見たら道路が通行止めになっててその眺めのいい場所へは行けないとのことだった。私たちは残念だったので、じゃードライブドライブ〜とはやし立てたら車中の人たちもいっしょになってひゅーひゅーとさわぎはじめて、運転手さんははずかしそうに港のはずれの方までドライブしてくれて、途中でUターンして戻ってきた。なんかすごい和んだ雰囲気のバスになっていた。
帰りのフェリーでは最初、お座敷客室でおばあちゃんたちが全く私たちの理解できない言葉を話すのを聞いていた。枕もついててなかなか快適だったけどそのうち飽きてまた甲板にあがった。波が傾きかけた陽をキラキラ反射しててまぶしかった。レイバン風のサングラスをして作業服を着た海のおじさんたちが、泊港に近づくと首尾よく太い縄を岸に引っかけてから、モーターで巻き取っていってフェリーを接岸させるのを面白いなと思って見てた。
photos by fumie hayakawa.

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