1994/10/27 谷村有美 グリーンホール相模大野 大ホール
Concert Tour '94-'95 withII
1階12列20番
三浦敏孝, 早稲田大学
miura@muraoka.info.waseda.ac.jp

●座席

12列目は通路を背にしている。上着を背もたれにかけるのに気兼ね
がいらない。
1階の前の方の座席はスカルプチャ配列というか、後ろへ行くに従っ
て傾斜がついているので、立ったときには前の席の人の存在があま
り気にならない。
ステージまでの距離は、実感として、かなけんのときより心持ち遠
い感じがする。ステージ上の人の人としての立体感がやや弱く感じ
る。この距離で泣きぼくろはちょっと無理。

1. ときめきをbelieve

かなけんのときには谷村がどこから登場するのかわからなかったの
で、現れる瞬間を見逃してしまったが、今回は知っているので落ち
着いて周囲の状況を観察する。
最初に、効果音・ブラスの音とともにステージの上方中央から下へ
数本のスポットライトが照らす。これのもたらすチンダル現象が光
の壁になってステージ上の暗がりを余計見えなくしている。次に、
ステージの両袖辺り、床の上から客席の壁をモアレの回転フィルター
入りのバリライトが照らす。光の壁が厚くなる。
この光の壁が消えると、真っ暗なステージ上でメンバーが定位置に
ついている。青柳さんのキーボードと田中さんのドラムの山台の間
に階段つきの山台があり、谷村はそこに立っていて、後ろ足元から
ライトを当ててシルエットを浮かび上がらせている。
数秒後、曲が始まる。ここまでの緊張感はかなけんと同じ。落ち着
いて歌っている谷村にちょっと貫禄を見る。声はちゃんときれいに
出ている。

2. 元気出してよ
3. いちばん大好きだった
   (いつもの挨拶)
4. Somebody loves you

「間違えるなよー」と念じながらここまで聞いていたが、歌詞を忘
れて飛ばしたりすることなく、ほぼ完璧に歌い切った。いつものエ
ラーも検知できなかった。Somebody loves youで一度だけ言葉の出
だしにつっかかりそうになったのを除いては、完璧ではないか。あ
あ、すっきりした(こんな緊張感を楽しむようになった自分に苦笑)。
レコーディングが終わって(10月10日から)だいぶ経つので、練習を
十分に積んだだろうし、コンサートの数もこなしているのだから、
期待通りである。ただし、ときどきカンペに行く目線が追えてしま
う。

5. 彼女のフィアンセ

谷村の踊りが、何か変。というか、いつも谷村の踊りというのは歌
詞そのままというかあまり芸を感じないのだが、これもいつもの通
りのパターンだったというか。
青柳さんのピアノソロはいつもながら凝っている。

6. 一緒に暮らそう - 「にゃお」つき

   (MC)

そういえば、かなけんのときも木曜日だったし、今日も木曜日だ。
そういうわけで、昨日のMusicGUMBOの放送前後の話。
ツアーとDJの仕事で7泊8日くらい大阪にいて、その最終日である昨
日のGUMBOの放送中どうも調子がよくない。それが放送前に十三(じゅ
うそう)で食べた焼き肉のせいだと思っていたのだが、番組の終わ
りになぜか涙が出る。おかしい。泣くようなことは何もないのに。
そこで気づいた。「あ、そうだ、私、もしかして、お家に帰りたい。」
---気がついたら、小学生の頃1人でアメリカにホームステイしたと
き以来のホームシックだったのだそうだ。「30前だというのにねえ。」
話の前振りだった焼き肉屋は、12人で予約して8人で行ったら店の
おやじが結構怖くて、邪険に扱われながら量を持て余しつつ食べた
のだそうだ。
変な掛け声を入れる客が2人くらいいる。間も悪いし言っているこ
ともまったくどうでもいいことだ。谷村も応じ方に困っている。あ
あいうのはつまみ出して欲しくなる。
アルバム「幸福の場所(しあわせのありか)」は完成したらしい。サ
ブタイトルのフランス語「ル・ソレイユ・ダン・ル・クール」とは、
「幸せの源はあなたの心の中に」という意味だそうだ。ジャケ写が
いいらしい。

7. もう恋は。

2度目でも新鮮さを失わない。聞き惚れていた。

  (短いMC)

8. 友達(弾き語り)

今回は曲の能書きはなく単に「WithIIから。」
ピアノの不協和音が目立つのは、青柳さんが明かりのないところで
弾いているからか。それともあれで正しいのかな。

9. それでもあなたを愛してる(弾き語り)
10. あなたと生きてく
11. 今夜あなたにフラレたい
12. 最後のKISS

13. Oh, my god!!

間奏のピアノソロはいつもの(今日はちょっとテンポが遅かったよ
うに感じた)だが、前奏というか導入部に新しい趣向がある(かなけ
んでもこれはあった)。これはいい。

14. 好きこそものの上手なれ

出だしの拳突き上げはタイミングが合った。が、周りにやっている
人がいなかったので浮いたかも。
間奏でメンバー紹介。
その後、「好きこそ物の上手なれのお時間がやって来ました。」
「とっておき」のスタジオライブのときに、今回のツアーの目玉で
あるようなことを言っていたので、もう納得している。
今回は「ラララ」の部分は変奏というより数パターンと言った方が
ぴったり来る。その後、「線路は続くよどこまでも」、「ヤン坊マー
坊天気予報」「森の熊さん」など。やっぱりちょっとやりすぎの感。

   (MC)

Tonightをメニューに入れることを決めた大きな節目というのはア
ルバム「幸福の場所」の制作であったらしい。

15. Tonight

(以下、アンコール)

ステージに明かりが残っていて、ローディーがギターとベースのチュー
ニングをしている。そんな様子を見せられるとアンコールというよ
りは明らかに幕間なので、心持ち拍手をする手から力が抜ける。
拍手の同期は外れるか外れないかのぎりぎりで踏みとどまっている
感じ。このくらいの大きさのホールだと残響がうまく調整されてい
るせいか。ひょっとすると同期が外れてカオス状態になるのは武道
館に特有な現象なのだろうか。

谷村含めメンバー登場。例によってバンド全員でクラシックバレエ
式?の決めポーズ。
「新曲を持ってきました。」新しさ加減に関する能書きはない。
「偉いでしょ」もやらない。すでにラジオの番組でかけているから
だろう。
「踊りを考えたんだけど、みんなに『かっこわるい』と言われるし、
みんなにやってもらうには会場が狭すぎる。そこで、改良してみま
した。振りを小さくして、その場でこう……」青柳さん「え〜?!」
谷村「『えー』はないでしょ。じゃあ元のでやる。」
というわけで、改良版は使われなかった。
谷村の踊りに合わせて青柳さんが上体を傾けているけれど、客の動
きの「お約束」にまで進化するでしょうか? 首を傾けるくらいやる
ようにならないかな。

E1. 明日の私に会いたくて

もういいかげんメロディーは覚えた。
ひょっとすると、ライブ映えする曲かも。

E2. しあわせの涙

E3. 愛する勇気

やっぱり条件反射であくびが出る。曲の最後の部分の、サビの節を
ラララで合唱。

以上、18曲

●終演

まったく同じメニューでの2度目だが、飽きない。いいライブだっ
た。
MLのメンバーを探す気も起きず(相模大野に行くとMLで宣言してい
た人は1人しかいなくて、オフミをやるとかいう話もなかったので)、
例によってキーンと鳴っている耳を抱えて帰路につく。

以上
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$Date: 2007/11/24 06:45:53 $


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