ドクターヘリ救急搬送レポート (2/3)

 


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 患者を乗せたドクターヘリは約30分ほどで帰投。
大きく左旋回してアプローチ。静かである。
そのまま回り込み急な進入角で一直線に降下する。騒音を減らす為のアプローチ方法だろうか。
着陸寸前に左ドアが開けられ、後方確認、接地。

  待機していた病院側のスタッフが走って後部へ回り込み観音開きのドアを開 け、患者の乗ったストレッチャー(折り畳み式担架)を機外へ引き出す。
その まま点滴を掲げ患者について走りストレッチャーを押して救急車の中へ、その間も心臓マッサージが続けられる。1分 1秒が患者の命を左右する。
こちらのカメラのレンズに向けられた医者の目は 険しく、これが訓練ではなく、実際の搬送であることを物語っている。
救急車はサイレンを鳴らしセンター表玄関へと急行する。


 搬送終了、エンジンが切られ、ローターが止まるとあたりに静寂が訪れる。
パイロットは自分でポンプを操作して給油を行い、救急車についてセンターへ行った整備士はヘリパッドへ戻ってきて、回収したストレッチャーを機内へ収容、酸素ボンベ交換、バッテリー充電などを行い次の出動に備える。
パイロットはさらに整備士と今の搬送の状況、反省点などの確認を行い、また待機所へ 戻る。

 以上が実際の救急搬送の模様である。緊迫した雰囲気がお分かり頂けたであろうか。


 今回の患者は心筋梗塞と思われ、要請を受けたドクターヘリは秦野市の某企業のグランドで救急車とランデブーした。通常は小学校の校庭など砂地のところが多く、砂が舞い上がるのを防ぐため消防車で散水してヘリの到着を待つが、 このグランドは草地の為その心配もなくよく使われるとのことであった。

 病院のある伊勢原市は神奈川県のちょうど真ん中に位置し、県内には最長でも30分以内に到着可能。 同病院では158箇所他の臨時着陸場を持っており、近くでは秦野市や、小田原、愛川町、
また神奈川県だけでなく、近県では山梨県の大月市から静岡県の伊豆半島までをカバーしている。
病院間搬送はあまりなく、ほとんどが救急出動という。


 尚、同EC135の常駐任期は7月26日で終了。
同日に朝日航洋のMD902(JA6902)と交代、中日本航空(名古屋)にてチェック を受けたのち、12月から岡山県の川崎医大に常駐となった。

(次ページへ続く)


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