特集(Special)
 アグスタA109K2

コンパクトなボディにハイパワーのエンジン、高高度性能に優れ、雪のアルプスを舞う頼もしい翼!

今回は遭難者救助に威力を発揮するアグスタA109K2を特集致します。

目 次

アグスタA109K2について

富山県警のK「つるぎ」について

画像(つるぎの雄姿が見られます)

高高度性能の秘密

デビュー時の知られざるエピソード (NEW 99/3/1)


◇アグスタA109K2について

比較的軽量なボディに高出力のアリエル1K1エンジンを2基搭載。
高湿、高高度条件で性能を発揮する。
スイス山岳救助隊(REGA)の厳しい仕様要求に合格、選定されたことでも有名。
そのホバリング能力は約5,000mと群を抜いている。

外見上の特徴としては
・従来のA109型の特徴であった引き込み脚ではなく固定式。
・ロワーフィン(垂直尾翼の下半分)がなくなり、テールスキッドのみとなっている。
・エンジン排気口の部分が盛り上がっている。
以上の点で見分けがつく。

我が国では1996年5月に富山県警が採用、山岳救助で効果を発揮している。
現在のところ我が国にはこれ1機のみである。

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◇富山県警のK「つるぎ」について

アグスタA109K2は現在日本にたった1機。 富山県警察航空隊 が運航している。
名峰剣岳のように雄々しく、たくましく、県民の安全な暮らしを守る翼としての願を込め、「つるぎ」という愛称がつけられた本機は 1996年に導入された。
就航は1996年5月。実際のデビューは7月の山開きからでその後わずか1カ月間で18名の遭難者を救助という華々しい成果を上げた。

導入から昨年12月31日までの救助者総数は73名にのぼり、その他遺体収容は13体。
今年1999年1月1日には北仙人尾根に於いて1名の生存救助を行っている。

Kは高高度性能に優れ、REGAでも採用されていることで有名だがその舞台はスイスアルプスの5,000m級の山々、これに対して日本アルプスは3,000m級。この為運航には十分な余力があり、立山連峰や黒部渓谷などを舞台として山岳救助に多大な力を発揮している。Kの導入は本機の性能を十分生かした見事な選択といえよう。


  <導入の背景>

1991-92年に掛けて発生した剣岳の大量遭難以来、より救助能力の高いヘリコプターの導入が切望されており、各種機体の検討を行い選定されたものである。
就航式の中で県警は「本機の導入により山岳救助により万全の体制で臨むことが出来るようになった」との期待を述べたと報道されているが、Kはその期待に十分応えたと言えよう。
しかし以前より機種の選択肢が広がったとはいえ、まったく日本導入実績のない本機の選定、導入にあたっては関係者の並々ならぬ苦労があったと聞く。その勇気と努力に拍手を送りたい。

  <遭難救助活動について>


つるぎの活躍の場は何と言っても遭難救助でしょう。
ここに、剣沢にこもりK2「つるぎ」の活躍を長期に渡り追い続けた個人の素晴しいホームページがあります。
是非この方のページをご覧ください。まるでその場に居るようにつるぎの活躍が分かります。
Tsurugisawa Photo Gallery (Agusta A109 K2)
(写真も豊富でレイアウトも見事です)

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1999/1/17初版
1999/1/21加筆
1999/1/31修正


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