211系
211系 東海道本線 名古屋 1999年10月12日撮影
 1985年(昭和60年)に113系115系の初期形車の置き換え用として登場した近郊形電車です。
 車体は裾絞りタイプの軽量ステンレス構造で、両開き3扉となっております。車体幅は113系よりも50mm拡大され、居住性が改善されています。
 制御装置は先に登場した205系と同様の界磁添加励磁制御方式で、ブレーキ装置は全電気指令式空気ブレーキを採用しています。台車も205系と同様のボルスタレス台車が採用されました。抑速ブレーキが付加されているので、JR在来線の直流電化区間のほとんどの区間で走行可能です。
 車内の天井は平天井構造となり、冷房吹き出し口はラインフロータイプとなっています。また、冷房付き近郊形電車としては初めて横流ファンが採用されました。室内は暖色系でまとめられています。

 使用区間と室内形式により、下記のように番代が区分されています。

 ・0、2000番代
 平坦線区、暖地向け仕様車として登場しました。セミクロスシート車が0番代、ロングシート車が2000番代となっています。JR東日本、JR東海の東海道線系統で使用されています。JR東海に在籍する車両は登場時、青と白のラインカラーでしたが、後に湘南色に変更されました。また、クモハ211の0番代車はJR東海のみに在籍します。

 ・1000、3000番代
 115系の後継者として登場しました。基本的な構造は0、2000番代と変わりありませんが、先頭台車にスノープラウ取り付け、耐雪ブレーキ、側扉の半自動回路、レールヒーターを設置ています。1000番代がセミクロスシート、3000番代がロングシートとなっています。ラッシュ時対策のため、1000番代は早期に製造を中止しました。

 ・5000番代
 1988年(昭和63年)7月に老朽車両の置き換え用として登場しました。基本的に2000番代をJR東海仕様にした車両ですが、相違点は化粧版と腰掛けモケットの色調変更、側扉内側に化粧版設置。送風機の増設(4個→5個)、C-AU711D形インバータークーラー2基搭載、補助電源装置をMGからSCVに変更、側面行き先表示のLED化(後に字幕表示に変更)、助士側前面窓の拡大、車外スピーカー設置などです。3年間で1〜4次車まで製作されました。2次車までは側面行き先表示が細めのままで、字幕式に変更されました。3次車では便所付きの5300番代と低トンネル対策を施した5600番代が登場しました。4次車からは列車番号表示の廃止と幌枠のFRPかを行ったほか、基本システムに213系5000番代の1M方式を採用した6000番台が登場しました。
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