CD-R化と試聴、データバックアップ

CD-Rに焼く

16Bit/44.1kHz,STEREOのAIFFまたはWAVEファイルができたらCD-Rに焼いてみる。
MTR直付けCDRでもコンピュータ経由でもどちらでもいい。多バージョンの編集バック
アップや複数枚制作を考えると、コンピュータベースの方が便利かも。

試聴と録音評価の規準

試作盤ができたら通して聴いてみる。

・ノイズ、不自然なフェードイン/アウトはないか?
・トラック毎の音量レベル差は不自然ではないか?
・曲間(プリギャップ、ポストギャップ)は適切か?

等の表面的な問題をチェックしたら、次に音楽的側面を吟味しよう。

・全体のバランス
・定位
・解像度
・全体的な音圧(ダイナミックレンジ)
・周波数特性

あたりに注意して、不満があれば再度トラックダウン・マスタリング。(T_T)
マイク録音の失敗は完全にカバーできないが・・・

仕上がり当初は耳がマスタリングに慣れているので、一服して耳を休めるか、一晩
「寝かし」て別の日に聴いてみるとよい。

同じ曲の別のCD録音と比較してみる。

ステレオ、ラジカセなど何種類かの再生装置で聴いてみる。

他人に聴いてもらうのが客観的評価の早道だ。それぞれの再生環境、サウンドの好み
が反映されるのでおもしろい。(演奏者の場合、たいてい誰に聞いても「自分の音を
もっと」と言うので笑える。「森を見て木を見ず」の大局的見地も必要だ。)
バランスや残響の量、全体的サウンドクオリティについて、他人のコメントは有益な
アドバイスとなる。

クラシック音楽の場合、「作曲者の意図が十分に再現されているか」が重要な規準と
なる。バランスで悩んだら、スコアを見てみよう。楽譜に表示された音量、表情記号
にふさわしいニュアンスに聞こえるだろうか?パート間のフレーズの受け渡しは自然
か?そんな細部に、マスタリングのヒントが潜んでいたりする。

<参考>
斎藤宏嗣氏の『CD優秀録音盤800』(ONブックス)では、クラシックCDの評価基準
として6つの指標を挙げ、それぞれ10ポイント制で評価している。データを見るので
はなく、再生音源を聴いた「聴感上」の評価であるのがポイントだ。

・fレンジ 周波数帯域の聴感的な拡がり
・Dレンジ 聴感的に捉えたダイナミックレンジの拡がり
・量感  全奏部分での音圧的な迫力
・バランス 「ピラミッド・パターン」「フラット・パターン」などの帯域バランス
・解像度  各音像の分離、輪郭の鮮やかさ
・質感  高弦の粒立ち、音のヌケ、声楽の暖か味などトータルな音質

2001.9現在、斎藤氏による『STEREO』誌CD評では、項目がより細分化している。
何らかの欠点がある場合、多項目のほうが欠点を指摘し易い。

・高域レンジ
・高域音質
・中域音質
・低域レンジ
・低域音質
・Dレンジ
・SN比
・バランス
・解像度
・雰囲気

 

データバックアップ

データが大きいのでバックアップは大変。焼いたCD-R自体がバックアップとなるが、
編集したAIFF,WAVEファイルをデータ形式で焼いておくほうが音質がよく、再編集
に便利。できればDVD-Rが欲しいところだ。1曲10MBにもなるオリジナル録音デー
タの保存はCD-RはおろかDVDでも無理で、大容量HDしかない。


PREVIOUS | NEXT | HOME