事例研究(3):オーケストラ録音〜ワンポイント収録

アマチュアオーケストラ演奏会で、エンジニアK氏のアシスタントとして録音を見学した。
ワンポイントステレオ録音の基本と応用について、とても勉強になった。

オーケストラ演奏会

約100人のフル編成オーケストラ。会場は約2000人収容の大ホール。(写真)

使用機材

ショップスのマイク2本を使ったワンポイント収録をDATで録音した。


(写真)ペアマイクは約60cm間隔でハの字型にセット。横から見ると下45度くらい。

K氏の機材は

マイク Shoeps CMC621Hug×2
    使用カプセルは21H (Wide Cardioid)
マイクプリ LAAudio MLX20
DAT SONY D10Pro, PCM-M1

マイクプリとD10Proを+4dBuバランスで接続、さらにバックアップ用PCM-M1にデジタル接続。
(写真前方)

私の機材は DENON DTR100Pのみ。マイクプリから-10dBuアンバランス出力し、トランスを介して
赤白ピンコードでライン入力した。(写真後方)

ワンポイント収録のマイキング

ワンポイント収録のマイク位置は、指揮者の後方1-1.5m、高さ4mを基本として、ホールの音響や
編成により微調整する。無指向性マイクの場合はオーケストラの真上がよく、単一指向性の場合は
もっと離してもよい。
下向きの角度は、木管の最前列よりちょっと弦楽器よりあたりを狙うように。


(写真)指揮台に立っているスーツの人物を規準にマイク位置を見てみよう。

マイク位置の調整

リハーサル録音を聞きながら、何度かマイク位置を調整した。
オーケストラのバランス、直接音と間接音のバランス、音の抜けの良さ、残響などを
総合的に判断して、細かく追い込んでゆく。


(写真)3点吊りマイクのリモコン。ボタンを押して上下左右の位置を調整する。

本番テイクを聴く

出来上がった録音を聴いてみると、周波数レンジが広く、広がりと定位も自然でクリアに録れている。
ヴァイオリンの音が特に素晴らしく再現されている。ホールの残響成分もじゅうぶん捉えられている。
リハより本番のほうがいっそう広がり感があるのは、マイク微調整と、客入りの影響なのだろう。

いつもワンポイントマイクのセッティングに悩んでいたので、今回は大変参考になった。
K氏に感謝。また、持ち込み録音でお世話になったホールの音響の方にも謝意を表したい。



今回の御教訓(^^)/

ワンポイント収録でもじゅうぶん録音できる。音を聴きながら、マイク位置を調整しよう。
微妙な位置加減でバランスが変わる。

音質は結局、マイク選択がポイント。ショップスで録音した弦楽器の音は美しい!


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