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- これまで、音楽ビジネスの主流であった(今もそうだが、いつまで続くか)レコード会社が音楽配信に抵抗してきたもっとも大きな理由は、演奏家が聴衆と直結することによって、自分たちの存在価値がなくなることではなかったのでしょうか?
- その恐れが、現実になりかけている例が、フィラデルフィア交響楽団のライブ録音配信なのかもしれません。
- しかし、音楽配信さえ軌道に乗れば、演奏家と聴衆の中間を取り持つ存在は不要になるわけではないでしょう。これまでレコード会社が行ってきたことは、CDやレコードなど物を流通させることでは無かったはずです。それらは、販売店や物流業者の仕事でしょう。
- それはさておき、最近は、インターネット接続もブロードバンドが普及し、記憶装置の容量やコンピュータの性能も上がったため、配信される音楽もこれまでほどに圧縮率を問題にしなくとも良くなりました。
- 配信される音楽ファイルフォーマットの主流は、いまのところ MP3 と AAC のようですが、これらは圧縮率を良くするため非可逆圧縮となっていて、元の音の一部をカットしています。
- これに対して、可逆圧縮の場合は、元どおりに再現できるため、原理的には、高い音質が得られます。その反面、圧縮率が低くなります。
- オーケストラの曲のようにダイナミックレンジが広く、音域も広い音源の場合は、今後、可逆圧縮による配信が主流になると思います。
- 先の例であげたフィラデルフィア交響楽団の音楽配信の場合、可逆圧縮の FLAC を使っています。期間限定で、MP3版を無料配信していますが、FLAC版でも十分安い料金(ベートーヴェンの5番全楽章で $5.66-)が設定されています。
- こうなると、家庭用のオーディオ機器の性能のほうが問題になるのかもしれません。それ以前にそれを置く部屋が問題なので、より良いイヤホーンでも購入しますか。
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